● 「お母さん……なんだか風邪っぽくて、今日学校休んでもいい?」 「あら……体温計どこにやったかしら」 そんな他愛も無い日常の会話。 顔の火照った少女が、ふらふらと自室から出てきては母親にそう言った。 体温計は平熱よりも高い温度を差し、確かに症状は一般的な風邪。 「学校には、連絡しておくから」 その言葉に少女は一度だけ首を縦に振った。 日にちは少し前に戻る。 少女はとある神社でひとつのお守りを買ってもらった。 『身代わり』と書かれたお守りは、大事そうにポケットに仕舞ってある。 けれどそれが神秘化していたなんて、誰も思わなかっただろう。 祈願の名の裏には、救いは無いのかもしれない。 「はぁ……はっ」 日に日に酷くなっていく体調。 ――長く休んでいるんだ。誰かお見舞いに来たりノート届けてくれたししても良いんじゃない? 虚ろな意識でそんな事を考えていた。 少女は友達がいない訳では無い。むしろクラスでは注目される方だ。 母親は風邪をこじらせていて、しばらく学校を休むと伝えてあるとも言っていた。 「……学校、早く行きたいなぁ」 目の前が暗くなる。 眠りの世界へと誘われた。 ――一方、彼女の学校では。 「おはようございます」 「おお!? 長く休むんじゃなかったのか?」 「ああ……はい。大丈夫になりました、いたって元気です」 「そうか、それは良かった!」 風邪で寝ている少女、そっくりの少女が教師の下を訪れていた。 ● 「皆さん、こんにちは。一人の少女を救って欲しいのです」 いつもの様に『未来日記』牧野 杏里(nBNE000211)が資料を配り始める。 敵はアーティファクトから生み出されたエリューションだった。 「アーティファクトのお守りは祈願した者の命を吸います。少女はおそらく何か願ったのかもしれませんね……そのためにエリューションが生み出された。その願いの代償が自分の命とは知らずに……です」 杏里は少ししゅん、とする。 アーティファクトは着実に少女の命を吸っていた。そのため、体力が落ち、衰弱し、風邪が悪化し続けている。ほおっておけば幼くしてその命が消えてしまう様だ。 「エリューションですが、戦闘になると目の前に居た者の姿を完璧に真似てしまうようです」 姿形から、持っている武器まで同じ。かつ、それで攻撃してくる。 身代わりというか、化けられて笑われているようだった。 願われた願いに忠実に行動し、それを阻害する者は容赦無く――といったところか。 「工藤蒔絵ちゃん。アーティファクトを持った少女の名前です。彼女そっくりのエリューションが登校し、学校生活を送り、下校した後を狙います」 杏里が取り出したのは地図。それを広げてリベリスタ達に見せた。学校から蒔絵宅までの道のりが赤く線画引かれている。 「此処です」 そう言って指を指したのは、川沿い。 「下校途中の此処が一番人が少ないのです。此処で討伐してください」 人が少ないとはいえど、いない訳では無い。一般人対策は必要だろう。 ふと、リベリスタの一人が杏里に問いかけた。 「……なんか急いでる?」 その質問に杏里は一瞬だけ身体を揺らして動揺した。 「ああ……、蒔絵ちゃんの命のタイムリミットが近いのです。まあ、アークとしては神秘がどうにかできればいいのですが……」 その後はあえて何も言わなかった。 あくまで作戦はリベリスタに一任する。杏里は情報を渡すだけ。 「因みに、自宅にエリューションが帰ると完全に見えなくなるそうです。また次の日の朝、玄関から登校し、学校へ行き、下校して消える。それがエリューションの行動です」 消えても完全にいなくなる訳ではなく、また次の日も同じ行動をするのだった。 「それが例え、蒔絵ちゃんが死んだとしても……です。兎も角、後はよろしくおねがいします」 杏里は深々と頭を下げた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:夕影 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年01月06日(金)22:16 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●物に思いが宿るだとか 大切な物ほど、すぐに無くしたり壊れたりするものだ。 だからこそ大切に、大事にする。 故意で手放そうだなんて、そんなこと誰がするものか。 「願いを叶えるお守りですか……そんなものあるんですねぇ」 『コドモドラゴン』四鏡 ケイ(BNE000068)が少女の家への道のりの途中で呟く。 「まあ、その願いで己を殺すことになります」 悲しいですね、と最後に付け足し、氷河・凛子(BNE003330)の目線の先には一軒の家。 「それでは行きますか?」 「は、はいっ! 準備はできてます……っ!」 凛子は真っ白は白衣に身を包む。 紛争地を渡り歩く軍医であった彼女。それがまさかこんなところで役に立つだなんて思っていなかった。 医者と、助手。 はたから見ればそのような感じ……なのだが。 「いやあ、緊張、しますねっ」 ケイはどことなく。どことなく、不似合いだった。 にこっと笑った凛子がインターホンを押すと、ぴんぽーんと機会音が流れる。 しばらくして応答に応えたのは、荒い吐息混じりの少女の声だった。 所変わって、川沿い。 「生徒を守るのは、教師の務めよね!」 三高平大学付属高等学校の教卓に立つ『自堕落教師』ソラ・ヴァイスハイト(BNE000329)が辺りへ結界を張った。 確かに今回の守護対象は学徒だ。 教師という名を担う彼女には、早く学徒を本来の生活へと戻さなければいけないと考えたのだろう。 怠ける事が趣味だが、今回ばかりは重い腰をあげる。 その手のカラーコーンを道端に置きながら、一般人対策をする『誰が為の力』新城・拓真(BNE000644)が呟いた。 「何かを成す場合、相応の何かが必要」 それは拓真が、拓真の尊敬に値する人から聞いた言葉のひとつだそうだ。 今回の場合は、それが――命。 だが、少し払い過ぎで無いだろうか? その疑問が拓真の……いや、リベリスタ全員の頭の中にあった。 世の中は不条理なものだ。 大きな対価を払った所で、見合った結果が帰ってこない時もあろう。 それが誰かの手で、何かしら良い方向へむけられるのならば、そうしたい。 それができるからこその、リベリスタ。 時として、その手を血にも染めるが、運命を曲げられるのもリベリスタ。 ――本当に? 『告死の蝶』斬風 糾華(BNE000390)が疑問に立ち向かう。だが、言葉には出さなかった。答えはもう自分の中で出ている。 「どうやら、来たみたいですね」 羽を広げ、一般人がいないか探索していた山田 茅根(BNE002977)が、蒔絵そっくりの少女が歩いてくるのを見た。 「……さ、いっちょやりますか」 『塵喰憎器』救慈 冥真(BNE002380)が死符毒銘戯画百景をAFから取り出した。 「……蒔絵ちゃんの願いから生まれたのでしょうが」 羽柴・美鳥(BNE003191)の魔力が丁寧に練られていく。 「ですが…あなたの存在は酷く歪んでます。その歪みは不幸しか招かない……ここで抹消させてもらいます」 いざ、一人の少女のために―― ●もう一人の―― 時計の針が進む音が、やたら耳に聞こえる。 沈黙。壁が軋む、そんな物音ひとつでケイの身がびくっと震える程の緊張感が辺りを包んでいた。 「注射はしないから安心してください」 そう言って医者であることを証明する等、理由に理由を重ねて家の中へと入れてもらえたが、それ以降の会話は完全に途切れていた。 初対面であることには変わりはなく、元気に話す事ができるほど少女にも余裕が無く、しんと静まり返っていた。 少女の体力消耗は酷いものだった。言葉を発する、単純で当たり前の行動でさえ今の彼女には厳しい。 凛子が丁寧に診察をするフリをし、蒔絵の様子を見続けた。 絶えず続く荒い息、生気の感じない目、まっすぐ歩けない足。日が落ちきるまでの命の期限は、限りなく迫っていた。 「その手のものは何ですか?」 直球で凛子が蒔絵に聞いた。蒔絵は一瞬身体を揺らしたが、おずおずと手の中の物を見せてくれた。 「お守り……買ってもらったの」 母から買ってもらったお守り。 これを持っていれば、きっと良いことが起きそうな……そんな予感がするのだと言う。 「お……お守りに何か願った……とかしたことありますか? ボクはあるよ、あはは……」 言葉を発する機会を伺っていたケイが、できる限りの笑顔で聞いた。 「うん……あのね……」 少女がゆっくり言葉を繋ぎ、話を始める。 ――川沿いを歩いていた蒔絵のような物体。ふと、それが顔をあげる。 瞬間的に、飛んできたのは魔力の砲弾だった。それが顔のすぐ横を掠り、髪の毛を吹き飛ばして飛んでいった。 「あっちゃ、外した。ま、いいか、次よ次!」 ソラが出席簿を片手に持ち、もう片方の手の人差し指を蒔絵の方へとを向けていた。 リベリスタ達を視界の中に確認した蒔絵――いや、地蔵。そのの形が歪み、同時にこちらへと向かってくる。 無表情無口無感情。数字で言えば何もないゼロがお似合いか。人形のような蒔絵が新たに形を成したのは。 「まさか、俺か!?」 「まさか、俺か!?」 声色さえ一緒。拓真の眼前に現れたもう一人の拓真(じぞう)。 偽物が対のブロードソードを交差させメガクラッシュを放つ。自身の剣……それ以上の威力が自身に叩き込まれ、冥真の方まで飛ばされていった。 「……俺達の力をコピーする、か」 確かに厄介だった。胸に受けたものは確かに自分の一撃なのだろう。 けれど、何かが決定的に違う。 「だが、その力を支える意志までは何一つとて真似出来まい──!」 今此処で真似た彼と、これまでを生きてきた自分が同等であるはずが無く、遺憾の思いが心に渦巻く。 拓真の足元から爆風が起こり、砂埃が舞う。爆砕戦気を身に纏い、剣を握る力が強まった。 傷を埋めるため、冥真が癒やしの風を紡ごうとした。 「まあでも一応、確認は取りましょうか」 ふと美鳥が拓真に問いかける。目線は冥真横の、新城拓真。 「天」と聞かれ、間も無く拓真は「船」と答えた。それは事前に決めていた合い言葉である。 「それじゃあ、貴方にも」 次に美鳥が目線を向けるのは、偽物の拓真。 「犬」と問うても、答えは返って来なかった。答えられない、答えられるはずが無い。 「……ふん」 地蔵が拓真の顔で不機嫌を見せた。 立ち位置からどちらが本物かだなんて言うまでもなかったが、やはりバレているというのが突きつけられるのは良い気分では無い。 「そこを退け、俺は俺のやることがある」 地蔵は拓真の声色でそう言った。だが、逃がすつもりはリベリスタ達には毛頭無い。 「残念だけど、それはできない相談だね」 トラップネストが地蔵を擦る。麻痺で拘束までいかなかったものの、形として『逃がさない』と伝わったようだ。 「どうせ届かねえだろうけどな――」 天使の息で拓真の傷が完全とはいかないものの、消えていく。同時に目に映るのは、ブロードソードを地面に引きずる地蔵の姿だった。 開き直り、拓真の顔で妖しく笑い、次の攻撃へと走り出すエリューション。 「歪んだ想い押し付けんじゃねえよ、菩薩にもなれねえ地蔵がッ!」 冥真が咆哮した瞬間、ソラのマジックミサイルが再び放たれた。 ●小さな願い 「宿題がね、できなくて……この前提出だったのに、分からない所多くて、できなくて」 蒔絵の悩みは極々一般的なもの。 「……先生に怒られると思ったらね、学校行きたくなくて……」 恥ずかしそうに、もじもじしながら願いの話をした。 「だから……誰か代わりに行ってくれないかなー……って思ったの」 それだけ言うと咳が話を途切れさせ、ケイがそっと蒔絵の背中を摩った。 あまりに小さすぎる願いが命を奪おうとしている。 それを知った二人は目線を合わせ、同時に一回だけ頷く。お守りの破壊へと、そのために来たのだから。 「病気が治ってからちゃんと伝えれば、解って貰えますよ」 「家で一人は寂しいよね……早く元気になって学校行こう?」 凛子とケイが優しく諭すように説得を始めた。 だが、蒔絵の呼吸は段々と荒くなっていく。 身体が歪み、再びその形が変わっていくのが見えた。 「あら、私? 嫌ね、気分が悪いわ」 「……模写では対処しきれないものがあるという事を教えてあげるわ」 糾華がハイアンドロウへと走る瞬間、もう一人の糾華もハイアンドロウへと走る。 ふたつの夜行蝶が身体の周辺を飛び舞いながら、銀の剣が交差する。お互いの肩に刺さったオーラの爆弾が爆発し、お互いにお互いの顔が痛みに歪んだ。 「どっち!? ええい、多分こっちよね!」 直感でソラがマジックミサイルを放つ。それは確かに正解だったのだが、糾華以外は本物と偽物の区別ができていない。 「……っ! 違うわ、私は本物よ、地蔵はあっち」 攻撃を受けたものの、いたってクールに偽物の糾華が本物を指さす。 「何言ってるの、当たってるじゃないの。所詮、貴方は偽物なのよ」 それに対し糾華も冷静に言い返した。同じ声で喋り合い、それが更に混乱を装う。 「うーん……どっちですかねぇ」 茅根がトラップネストの気糸を形成しながら呟いた。集中に集中を重ねた気糸をすぐにでも放ちたいものの、どちらも疑えば疑うほど弓を引く手が焦る。 冥真が前へと出て、鋭い直感で偽物の糾華を見た。 「あら、私を疑ってる?」 別にいいけど、と付け足し偽物は目を閉じた。本物の糾華は自分が何を言っても混乱を招くと思い、何も口にしない。 冥真はあえてどちらも疑う。そしてこの質問をぶつけた。 「その武器の名を答えろ」 もし答えられたとしても次の質問も用意してある。だが、答えられるとは到底思えない。 偽物は閉じていた目を見開き、一歩後ろへと下がった。答えるべき答えを探すが、そんな情報が何処にあると言うのか。その答えは本物が一番よく知っている。 糾華は目を閉じ、こう言う。 「名は――荊棘姫よ」 その瞬間、茅根の気糸が飛び、地蔵を縛った。 「あはは、いやぁー分かりやすいですね地蔵さん」 茅根がにっこり笑ってみせると地蔵が気糸の中で怒りに顔が歪む。本物はきっとそんな顔はしないだろう。 茅根の心の中ではほっとしていた。勿論、偽物を攻撃できたというのもあるのだが、自慢の麻痺が効かない相手だと、愛と悲しみを込めて弓を引く事になりそうであったから。 「捕まえましたよ、地蔵さん」 続いて美鳥の魔弾が、動けない地蔵に当たる。集中を重ねたそれは確実に地蔵の体力を削り取っていった。 目の前の敵を倒すのが役割だが、美鳥の心の中では未だ少女の安否が心配であった。 ● 日は沈みかけている。 体力の限界が近づいてきた蒔絵が目を閉じ寝息を立て始めた。ほおっておけばそれこそ、永遠の……。 凛子が両手に掴むお守りをそっと取り上げ、代わりのお守りを手に置く。 「これで、目を覚ました頃には全て終わっているでしょうね……」 凛子は優しく蒔絵の頭を撫でながら、アーティファクトであるお守りをケイへと渡した。 「このままだと……駄目ですもんね」 魘されている少女が目の前に居る。 呟きながら、渡されたお守りにスローイングダガーの刃先が貫通した。 その瞬間に、何か弾けた音が辺りに響いた。 ソラの姿をした地蔵が二回目のマジックミサイルを美鳥へと放ったとき、一瞬ぎこちなく静止した。 それは大元であるアーティファクトが消えた事の喪失感からか。何か糸が切れたような、そんな感覚がした。 「それでも……願いのために私は止まれないの!!」 もはや、本物と同じく振舞うのは困難と感じたのだろう。ソラの声色で咆哮した。 「ちょっと! 何かっこいいこと言ってんのよ!」 本当なら大きなスキルでどっかーんといきたいものの、コピーされては危険であるから自重してきた。 だが、高威力のマジックミサイルが本物の手から放たれ、地蔵へと当たっていく。驚くべきは彼女がソードミラージュである事だ。 攻撃は止まらず、拓真の両剣がさっきのお返しと言わんばかりに突き刺さっていく。 拓真が地蔵から離れるのに対し、入れ替わりで糾華のハイアンドロウが叩き込まれていく。 「模写では対処しきれないものがあるという事を教えてあげるわ」 言葉と魔弾を置土産に、風の様に舞っていく糾華が離れた瞬間、茅根と美鳥の光る気糸と、魔弾が飛んでくる。 集中攻撃を受ける地蔵の体力は確実にすり減っていく。 追い詰められた地蔵がソラから冥真へと変わる。勿論目的なのはその回復スキル。 「馬ァ鹿。俺は最後の一歩まで自分を回復なんてしやしねえんだ、ニセモノ」 「……く!」 出来損ないのペテンは、もはやリベリスタ達には通じないといったところか。 ――すると、遠くから声が聞こえる。 「お、おーい、アーティファクト壊しましたー!」 「あら、冥真さんがお二人」 ケイと凛子が息を切らしながら走ってきた。凛子の片手には千切たお守りがある。 これでリベリスタ全員が揃った。 「わあああ!? どっちですかー!!?」 「あはは、困りましたね」 ケイがスローイングダガーを構えるがギョっとし、凛子が回復しようとも、できない。 そんな二人を見た美鳥が言葉を発する。 「鳥!」 「……川」 恒例の合い言葉。美鳥がそう言えば冥真が答える。その種類もこれで最後だが――十分だろう。 「わかった?」 「は、はい! 大丈夫です!」 響く凛子の天使の歌。飛び出すケイのハイアンドロウ。 もはや追い詰められたからこその回復だったが、それも無駄なのだろう。既にリベリスタの包囲は完璧だ。 「……く、そがぁあ!」 冥真(じぞう)が最期の咆哮をする。その瞬間に、糾華が飛び出した。 「姿を模した所で、決してオリジナル届かない。引導を渡してあげる。さよなら」 素早く移動し、刻むのは死の刻印。文字通りの、すぐ訪れる運命だ。 「少女の未来、返してもらうぞ!!」 拓真の剣が地蔵の首をはねると同時に、エリューションはあっさりと消えていった。 自分の姿が消えた瞬間を見た冥真が、ちょっと納得いかなさそうに顔を斜めにした。 「お母さん、そういえば昨日、お医者様呼んだの?」 「医者? 呼んでないわよ?」 おかしいなと首を傾げた蒔絵が、家の玄関を通る。 「んー、不思議なこともあるもんだなぁ」 そんな事を呟きながら、いってきますと家を飛び出す。冬の寒さを肌に感じながら、お守りを太陽に透かした。 そんな蒔絵と紫の髪のリベリスタがすれ違った。 蒔絵の姿を確認し、にっこり笑って遅めの帰路を辿っていく――。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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