●North Wind 寒い、寒い、寒い。 そこかしこからそんな声が聞こえる。冬だから、もちろん寒くないわけがない。むしろ寒いのが普通だ。なのに。 寒い、寒い、寒い。 普通だったら、寒いのがわかっているから耐え忍ぶ。けれども寒いと叫ばねばならないほどに、寒い。そこにいたほとんどすべての人が、寒いと声を上げる。 寒い、寒い、寒い。 曇って薄暗い陰気な雰囲気は、微風でさえ体を凍てつかせる吹雪にさえ感じさせる。彼らは身に付けた上着を剥がされまいと抑え、僅かな冷気さえ避けようと俯きがちになる。 寒い、寒い……あれ? 誰かがふと、素っ頓狂な声を上げる。突如として寒風は止み、不思議な温かさが彼らを包む。服から手を離し、呆けたように空を見上げる。雲が晴れ、そこから光が漏れて明るくなった。彼らの顔も、つられて明るくなる。 理不尽にも風が吹いた。立っているのも辛くなるほどの、強風。彼らは何をする暇もなく、それを受ける。飛ばされそうになりながら、彼らは耐えたが、彼らの上着は、まるで図られたかのように脱げ、飛ばされた。 彼らは飛ばされた自身の服を追う。しかし先程よりもさらに厳し寒気が彼らを襲い、凍えて中々拾うことは叶わない。それでもおぼつかない足取りで、彼らは寒さを防ぐ手段を追った。 その時、愉快な笑い声が、彼らの耳に届いたとか。 ●北風をぶっ飛ばしてこい 「冗談では済まされない。由々しき事態です」 怒り、憎しみ、悲しみ。『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)の険しい顔からはそういった感情が読み取れる。これは大変な依頼に足を踏み入れたな、とリベリスタたちは身構える。 「北風を退治してきてください」 頭が混乱する。北風、とは。 「齢十五の少年、雪原翔がアーティファクト『フェイクノースウィンド』を使って悪戯をしています。早急に止めてきてください」 「子供の悪戯なら、別に自分たちが出る程でもないだろう?」 和泉は鬼の形相で、発言した彼を睨む。そして目を逸らしつつ、彼女は続ける。 「『フェイクノースウィンド』は文字通り北風を作り出します。この北風、風の強さや方向だけでなく、冷たさまで変えられるんです。いいですか、冷たさまでです」 和泉は若干ヒステリック気味に繰り返した。 「冬ってただでさえ寒いんですよ。太陽が出ても全然あったかくならないですし風が吹くたびに寒さに凍えなきゃならない。上着や手袋やマフラーなんて気休めですよ気休め。なのにこれ以上寒くなるなんてどういう冗談なんですか!? これはもはや悪戯ではないです。罪ですよ、罪。罪にはそれ相応の罰を与えなければいけないんです。ですからこうして皆さんに公式に撃退をお願いしているわけであってですね……」 「わかった、わかったから、落ち着いて……」 依然表情が鬼に似ている彼女は息を整えて、ようやくクールさを取り戻した。いつもの柔らかい微笑に戻った彼女は、コホンと咳払いをしてから続けた。 「ともかくですね、アーティファクトの回収あるいは破壊、それをしてもらえれば十分です。少年はアークにも特定フィクサード組織にも所属していませんが、革醒してフェイトを得てからかなり経っているみたいです。隠れて悪戯するのが現在のトレンドのようなので、こちらに引きこもうとしたとして話を取り合うかどうかはわかりません。悪戯に満足した後は、アーティファクトを使ってのらりくらりと逃げ出す傾向にあるようなので、早めに説得あるいは破壊してしまうのが得策でしょう」 では、成功を祈っています。 そう言った彼女の笑顔には、怒りが満ちていた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:天夜 薄 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年12月22日(木)22:55 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●罪深き悪戯に制裁を さぁ、次は何して遊ぼう。 木に寄り掛かり、冬の曇った寒空を呆けながら見つめる。そろそろ冬の寒さに冷たい風を当てて寒がらせるのは飽きてきた。強風で服を飛ばしてみたけれど、それも長く楽しめるもんじゃない。女の服を風でめくって下着を見るったって、夏に試しにやってみた時の方がキワドいの見れたし、今みたいに重ね着してる時期にやるもんじゃない。 なんか、面白い遊び、ないかな。 ……あいつら、こっち来てないか? 「はふ! わざわざこんな寒い日にあんなのと戦うなんて……」 『蜥蜴の嫁』アナスタシア・カシミィル(BNE000102)は体を縮こまらせながら、前を行く仲間を風からの盾にする。やや眠気が襲う体を必死に動かしながら。 「えぇ、本当にね。どうせならもっと上手い使い方をすればいいのに」 『嗜虐の殺戮天使』ティアリア・フォン・シュッツヒェン(BNE003064)は皮肉っぽく言う。自分だったらどんな使い方をするかしら。そんなことを考えていたから、アナスタシアのムスッとした表情に思わず、違うの、と訊いた。 「まぁなんと言いますか……ロクでもないヤツが居たものですね」 『銃火の猟犬』リーゼロット・グランシール(BNE001266)は呆れた調子で言う。目線の先で木に寄り掛かった少年の手には、ゴツゴツとした太い木の棒が握られている。 「みんな、準備はいいかな」 『猛る熱風』土器 朋彦(BNE002029)の確認と、雪原翔のリベリスタたちの認識のタイミングが重なる。確認への合図よりも前に、彼らは走り出し、それを見た翔はその口元に笑みを称えつつ、杖を振った。 強風が彼を中心に吹き出し、周囲にあるものを飲み込んだ。彼らは思わず顔を隠したがしかし、その足が地を離れる事はない。やがて風が弱まっていく。それに同調してリベリスタの動きも活発になり、木と少年を中心に包囲網ができる。翔はポカンとしながらその様子を見つめていた。 「雪原翔さんね。投降をお薦めするわ」 そう言って、『鋼脚のマスケティア』ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)は翔をしかと見つめる。典型的な優男といった感じの風貌は、とても悪さをするような風には見えない。やはり若気の至りというヤツだろうか。 「悪戯を止めて、アーティファクトを渡すだけでいいの、簡単でしょう?」 ミュゼーヌはできる限り優しい口調、柔らかい表情で、翔に説得を試みる。反応は芳しくない。口がひん曲がっているようにも見える。 「悪戯がしたいなら、アークでもできるわよ? 私の知り合いのリベリスタにも、悪戯が好きな人達がいるわ。アークに来ればそういう人達と、今より愉快な事が出来るんじゃないかしら」 「それにホラ、アークに来ておけば敵の持ってるすんごいアーティファクトに巡り会えるかもよぅ?」 アナスタシアは語尾に小さく、実際使えるかは知らないけど、と付け加えた。 翔はリベリスタに攻撃の気がないのを悟ると、アーティファクトを抱えながら腕を組み、やがて思いついたように口を開いた。 「へぇ、いいね、悪くないよ」 ミュゼーヌは胸を撫で下ろす。 「そう、ならーー」 「でもね」 続いた言葉に、ミュゼーヌの顔が強ばる。組まれていた翔の腕が、開く。ミュゼーヌは慌てて機械の足で魔落の鉄槌を食らわせようとするが、遅い。 「こっちの方が面白そうだ」 強烈な強風が、辺りを席巻した。 ●包囲網 「やっぱり、説得は無駄でしたね」 『鉄拳令嬢』大御堂 彩花(BNE000609)は風をその身に受けつつ言う。見かけ以上に浮き辛い自分の体が、あまりの風圧に浮き上がるのを感じる。ほんの少し飛び、転ばないように体勢を調節しつつ着地する。それと同時に仲間の様子を確認する。アナスタシアとティアリアはかなり遠くまで飛ばされたようだ。朋彦、リーゼロット、ミュゼーヌはそれほど遠くには飛ばされてはいない。 そして。 「お嬢様、よそ見しておられると逃げられるやも知れませんよ」 『デストロイド・メイド』モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)は彩花のちょうど斜め後ろに飛ばされていた。彩花は、わかってるわよ、と苦々しく言うと、翔の方に視線をやる。ニタニタと笑うその表情は、どうにも感情を逆撫でする。 「おっと、意外に飛ばないなぁ、結構強くやったのに。じゃあ次はもうちょっと強くしなくちゃね」 彼が得意げに言う声は、地上だけでなく中空にも響いていた。七布施・三千(BNE000346)は思わず笑いそうになる。彼は自分が頭上にいる事を知らない、と彼女は確信していた。自分の敵が七人だと思っているはずだ。何しろ、そう思わせるためにこうやって飛んでいるのだから、そうでないと意味がない。 地上で翔が起こした風が、微妙に上空の気流を乱す。煽られつつも、三千は翔のいるその一点に狙いを付ける。 説得は無効、ならば力づくで奪うしかない。 奇襲が通用するのは一度まで。 地上でアナスタシアと彩花が地を蹴り、攻撃を仕掛けようと翔に接近する。リーゼロットがしっかりと杖を狙う。 「とりあえず迷惑なオモチャは取り上げさせてもらいましょうか」 発射される弾丸。しかし翔は笑みを絶やさずに杖を振る。目測を違えた攻撃が空を切り、狙いから逸れる。 「……ああもうっ、自分の攻撃で起こった風が寒いよぅ~!」 アナスタシアは声を残して、体だけ後方に飛ばされる。大した距離を飛ばなかった彩花は、ふと翔の上空で合図を送る三千を見、翔に語りかける。 「悪戯してて、楽しいですか?」 「あぁ、楽しいね……最近別の遊び方もしてみたくなったけどさ」 翔はケタケタと笑う。その顔には些か余裕さえうかがえる。 「そう、それは別に構いません。ですが、力を無軌道に扱うその振る舞いは感心しませんわね。どこかの組織に所属する気はありませんの?」 「ないね」 翔は即答する。 「格好悪いじゃん」 長いものには巻かれるな。典型的な中学生的思考である。 「君もそろそろ高校生になるんだろう? そろそろ大人になろうじゃないか」 朋彦が加勢。あくまで笑顔だが、その顔から察せられる感情は、決して愉快なんてものではなかった。 「まぁ、一発殴られれば君の頭も冷めるだろう」 「アークなんて組織に従ってるだけのダサい大人に、俺が殴られるかよ」 さらなる加勢のため駆け寄ったミュゼーヌは朋彦の顔が憤怒に染まっていくのを見、恐怖した。あら、翔さんまずいんじゃありません? 「ふふふ、若いっていいねぇ。殴られなきゃわからない辺りも素晴らしいよ」 手に持ったロッドを地に突き立て、彼は心を落ち着ける。あくまで冷静。子供に怒る年齢でもあるまい。 「でも、この人数に太刀打ちできるのかい、君は」 「できるかじゃなく、やってやるんだよ」 「そうかい」 朋彦は飛びかかる。翔は後退しつつ杖を振り、風を巻き起こす。かろうじて届いた彼の拳が、風と逆の方向に翔を吹っ飛ばす。やがて風が止んだ頃、翔は勢いよく立ち上がり、殴られた部分を摩る。 「ぐぁー、やべーなあいつ……」 ●怒り、叫び、哀れみ 翔は周囲をグルッと見、逃げやすい箇所を捜す。全方位余すところなく包囲されている。彼は舌打ちをしつつ、中でも一番動きの鈍そうだと感じた敵の所から逃走を試みる。 翔が向かった先にいたは、モニカ。 「あら、わざわざ私をお選びになるなんて、いい度胸ですね」 丁度いい、ソミラの速さというものを見てみたかったのですよ、とモニカは不適に笑む。 モニカは自前のアームキャノンを翔に向け、狙いを定める。猛スピードでこちらに近付く翔に狙いを定めつつ、彼の速さを目測する。 さて、お目当ての速度は。 「普通って所ですね、まぁ参考程度にはなるでしょう」 期待はずれ。野良の革醒者に強力さを求めるのも酷であろうか。モニカは不満を銃弾に込め、発射する。 「ま、とりあえず止まってもらえます? これ以上見る気もないんで」 狙いを付けた銃弾は杖に向けて一直線、だったが気付いた翔が無理矢理起こした風が、彼の体と銃弾を逸らした。 「ちっ、小賢しいですね」 モニカはもう一度狙いを付ける。しかしその間にグイグイと近付く彼の動きに、それが間に合わない。 「逃げさせませんよー!」 突如聞こえた声に、彼は思わず振り返る。地上ではなく上空。彼の頭上、角度にして75度の位置から一直線に高速の影が突進する。背中に翼、手を広げてこちらに抱きついてきそうなその姿はさながら天使。なんと、空から眼鏡っ娘が。 「さぁ、大人しく捕まりなさい!」 その後方に現れるはお嬢様。前方の天使、後方のお嬢様。終わったかな、とモニカは思った。が、彼の表情から笑みが消えないのを怪訝に見ていた。 「やーだね」 彼はおよそ三千の真っ正面に向かって杖を振り上げた。杖が当たりそうなほどギリギリの位置。しかし発射された爆風がその距離を引き離す。空を飛んでいた三千は言わずもがな、彩花とモニカも腕の届かなくなる程度には飛んだ。 そう、爆風。あまりの強烈さに体が浮き上がってしまったし、色んな所を手で抑えるのもままならなかった。冬だというのに女性が好んで身に付けるスカートは、特に風で捲り上がりやすいものの筆頭だろう。そして皮肉にも、その場には圧倒的に女性が多かった。 多くのものはきちんとそれに関して対処をして来ていた。そもそも捲れ上がるものを着用していなかったり、下にキチンとドロワーズを履いていたり。ティアリアに至っては抑える気概すら見られなかった。 その中で一人、その状況で顔を真っ赤にしてスカートを必死に抑える者が一人。彩花は、昂った感情を必死で抑えつつ、平静を装った。そして満面の笑みで、翔を見る。 「……大丈夫大丈夫、怒ってなどいませんわ」 「お嬢様、これ一応確保ですからね、確保命令」 「えぇ、わかってるわよ」 超笑顔。モニカの忠告は本当に届いているのだろうか。 とにもかくにも、【フラグ成立】。 「死なない程度に殴り殺すだけですわ♪」 お嬢様、それ死んでますわ。 「いい加減になさい、遊びで死にたくないでしょう!」 リーゼロットは叫ぶ。そしてリボルバーの銃口を翔に向けて、わかりやすく威嚇する。しかし彼はなお止まらない。代わりに応えるように叫ぶ。 「無理無理無理! 止まったら死んじゃう!」 リーゼロットは一瞬引き金を引こうとして、しかし躊躇した。彼の今の状況は、制裁にしてはあまりに酷すぎるような気がしてならない。 必死に、それはもう必死に逃げる翔。公園の外に逃げる余裕など毛ほどもないようだ。そんな彼を鬼の形相で追うは彩花。それに加えて楽しそうに、拳を固く握りしめながら追う朋彦。捕まれば間違いなくデストロイ。 しょうがない、モニカが彼女を止めてくれるのを期待しよう。朋彦は……三千かティアリアにでも頼もうか。リーゼロットはモニカ応援を要請するために駆け出した。 同様に、状況に危機感を感じたアナスタシアは、彼の逃走経路に割り込み、逃走を妨げる。 「どいて、お願いだからどいて!」 「大丈夫だから、死なないように頑張るから、止まってよぅ!」 「だから、無理!」 翔はソニックエッジで無理矢理突破を試みる。彼女は慌てて防御し、翔の勢いを殺す。まずい、と思ったのか、彼は振り向く。そこには、笑顔のまま佇む少女の姿。それが彼には悪魔に見えた。 「逃がしませんわよ?」 ゾッとする翔。アナスタシアを突き飛ばして、遥か彼方への逃走を試みる。そのために、杖を振ろうとした。 しかしその腕にある杖は、振ろうとしたまさにその瞬間、光り輝く魔力をまとった矢に貫かれ、壊れた。最後に、僅かに踏まれた風は、スカートはおろか、髪の毛をほんの少し動かせるかさえ怪しかった。 「油断したかしら?」 ふふふ、とティアリアは笑って告げる。 「逃がさないわよ、絶対」 「くそっ!」 それでも彼は自分の足を信じ、必死に逃げようとする。腐ってもソードミラージュ、速度は速く、本気になればそれなりに逃げられる。そもそも速くなければ今まで逃げてこれなかった。 しかしながらその足も、銃弾の速度には敵わない。彼の右足と左腕を貫く二つの弾丸。ミュゼーヌとリーゼロットの放ったそれは、翔に動く選択肢を与えなかった。 ●冬こそ暖かく過ごしたい 倒れ込んだ彼の目に三つの影が映る。彩花、朋彦、ティアリア。翔は頭が真っ白になる。最後の抵抗を見せる彼の腕をティアリアが踏みつける。 「逃がさないわよ」 「許しませんわ」 「逃がさないよ」 燃える拳と、力のこもった一撃と、降り注ぐ鉄球。翔は目を瞑るが、そのどれも彼に当たる事はなかった。ゆっくり目を開ける。モニカが彩花を、リーゼロットが朋彦を、アナスタシアがティアリアを、それぞれ抑えていた。 「それは流石に死んじゃう、死んじゃうから!」 アナスタシアが必死で抑える姿を尻目に、ミュゼーヌが翔の横に来て、言った。 「死になくないでしょう、いい加減になさい、悪戯小僧」 彼は観念したように、地に倒れ伏した。三千はミュゼーヌの後ろで、思わず苦笑していた。 「リーゼさん、良かったら奢るわよ。何が良い?」 ミュゼーヌはリーゼロットに提案する。 「では、適当に何か」 「じゃあ、みんなでホットココアにしよ!」 アナスタシアが元気に言う。 「それがいいね」 朋彦は素直に同意する。どうやら反対意見もないらしい。 出て来た缶をいそいそと掴み、両手でそれを持ってアナスタシアは手を温める。 「温かーい!」 「そうですね、カイロ代わりになりますね」 三千も同じようにして手の暖をとる。寒い季節はこれだけでも至極幸せな気分になれる。 「本当に、誰かさんが冷たい風なんて起こさなきゃ、こんなに凍えなかったのに、ねぇ?」 ティアリアが冷たい目線で翔を睨む。罰が悪そうに、彼は目を逸らす。 「まぁまぁ、終わった事ですし」 「そうですわ、これ以上やったら再起不能になります」 彩花とモニカが宥める。すっかり怒りも冷めたようだ。彩花は、焚火が断られた事に少し不満げでいたけれど。 「何にせよ、あの寒さはもういやだよぅ」 アナスタシアは震えつつ言った。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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