●らんらんお歌 今日は楽しい遠足! 待ちに待ったお弁当タイム! 楽しげな子供達の声が原っぱに響く。先生もホッと一息、微笑ましく生徒達を見守って。 「らんらら♪ らんらら♪」 するとお歌が聞こえてきた。何処からともなく聞こえてきた。 「あ!」 「見て見て!」 「かわいい~!」 子供達は直ぐにそれを発見するや、笑顔で駆けていった。 それは自分達と似たサイズのお人形。カントリードレスが可愛いゆる~いお人形。 らんらら、らんらん♪お歌を歌って。 「あら、可愛いお人形……、 ?」 先生も目を細めるが――ズクン、頭に違和感。 「あ゛」 「…… ぃ、ぎ、」 誰もが呻き始めた。それでもお人形は歌い続ける。それにつれて、それを聞くほど、ズクン、ズクン、メキリ、メキリ、沸いて肥大する脳味噌、頭、軋む頭蓋、痛い、痛い、苦しい、目から鼻から耳から膨れて膨れた脳味噌がぐしゅぐしゅミチミチミチミチ―― ぱちゅん。 ●ブレインにショック 「サテ。……あ、洗面器使います?」 フォーチュナが視たという中々にショッキングな映像、顔を青白くしたリベリスタ達へ手際良く洗面器を差し出したのは『歪曲芸師』名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)。 心配そうに見遣ってくる視線に首を振って応えると、「無理は禁物ですぞ」いつもの事務椅子に座り直した。一度皆を見渡してから説明を始める。 「ほのぼのわーるど、ってご存知ですか? 詳しくは逆貫様が受け持った任務の報告書などをご覧になれば分かるかと思いますが、ザックリ言えば我々のチャンネルを『餌場』と認識している別チャンネルの事ですぞ。 今回の任務はほのぼのわーるどからやって来たアザーバイドの討伐でございます」 言いながらメルクリィが資料を卓上に置く。その背後モニターには例のアザーバイドが――見た目はカントリーで可愛らし……いや、よく見たら、目が口だ。腹にも口があり、掌にも口がある。そしてその口にはいずれも鋭く凶悪な牙が並んでいた。 「アザーバイド『マザーグースさん』……ほのぼのわーるどでは『リビングドール』という種に分類されてるとか何とか。 特徴はこの口、そしてこの口による歌でしてな」 ご覧頂いたでしょう、メルクリィが視線を向けてくれば脳内再生されるおぞましい映像――頭が弾けて死んでいった人々。不快な気持ちが胸に溜まる。 「マザーグースさんの歌は、一般人が聞くと……脳味噌がポン、ですな。 皆々様リベリスタはそうなりませんが、その歌は聞くだけで体力も精神力も削られ続ける事でしょう。お気を付け下さいね。 勿論、他にも攻撃方法を持っとります。噛みつくとかベロで刺すとか様々な歌を歌うとか、状態異常付与系もあり中々に多彩ですぞ。決して見た目で判断して侮ってはいけません。約束ですぞ? それからマザーグースさんはひたすら残虐で取り敢えずぶっ殺して喰らう事しか考えておりません。交渉は無理でしょーな、『絶対』に」 ならば情けは無用、という訳か。頷き続きを促せば「了解ですぞ」とフォーチュナが微笑む。 「次に場所と+αについて。耳かっぽじってお聴き下さいね」 そう言ってモニターに映し出したのは広々とした原っぱ。晴れ上がった空に青々と輝いており、ピクニックなんかには最高だろう。周りに民家なども一切見受けられない。原っぱは鬱蒼と茂り薄暗い森に隣接していた。 「先程ご覧頂いた通り、ここには子供30人と教師2人がお弁当タイム中です。付近にいる一般人はこの32人のみですぞ」 そして、と機械の指が森を指す。 「マザーグースさんはこの森の奧から程なくすればやって来ます。 皆々様には彼らの避難も宜しく頼みますぞ。何とか言いくるめるなりして下さい。 ある程度離れたらもう安心です。先程申し上げた通りマザーグースさんは非常に凶暴ですので、取り敢えず視界に入った皆々様の方を真っ先に狙う事でしょう。 ――説明は以上です、オッケーですか?」 メルクリィがリベリスタ達を見渡した。一同が頷くのを指を組み確認すると、機械男はニヤリと凶相を笑ませる。 「では、くれぐれもお気を付けて。 私はリベリスタの皆々様をいつも応援しとりますぞ、フフフ。」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ガンマ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年12月13日(火)22:23 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●ぽかぽかおひさま 冬、とはいえ冬晴れの高い空にゆったりと日差しを投げかけてくる輝く太陽には温もりを感じる。 いや――寒いから余計に感じるのだろうか。 それでも子供とは元気なもので、広い原っぱには早々にお弁当を食べ終わったのだろう……駆け回ってはしゃぐ姿が幾つも見える、楽しげな笑い声が聞こえてくる。 さて、彼らには悪いが退避して貰わねば。 「……こんな感じでお手伝いっぽく見えるかなぁ?」 環境調査の為一般人達に立退き要請、という訳で『フェアリーライト』レイチェル・ウィン・スノウフィールド(BNE002411)自分の姿を確認する。調査員の助手を意識し落ち着いた服装、調査用の道具が入ってそうな大きな鞄、子供っぽく見られたら困るのでリボンも外し、お化粧もキッチリと。 その甲斐あってか、14歳のレイチェルであるが何とか大学生ぐらいには見えそうだ。少しは大人っぽく見えてればいいなー。と鞄を背負い直すレイチェルの頭をふわりと撫で、『ディレイポイズン』倶利伽羅 おろち(BNE000382)は優しく微笑みかける。大丈夫、オトナっぽいわよん、と。 チロリ、蛇の様なおろちの舌が自身の妖艶な口唇を微かに舐めたのはここだけの話。 「ほのぼのわーるど……今回もなんとも形容しがたい敵だな……。 とはいえ敵は敵、犠牲者が出る前に迅速に決着つけるとしよう」 同じく助手役として白衣を着たエクス キャリー(BNE003146)の脳裏にゆるキモ人形――過去に戦った例のチャンネルのアザーバイド――の姿が蘇る。 しかしそのだるんとした見た目に騙されてはならない事は重々承知済みだ。 「まったくいい加減諦めて欲しいもんだな」 調査職員役として地味な繋ぎを着た『半人前』飛鳥 零児(BNE003014)は呟く。て言うかまだまだ自分も若いと思ってたんだが……見渡す周囲の仲間達は花も恥じらう可憐な乙女達。 (なんていうか俺だけ場違いじゃないか?) ていうかハーレム?最年長のお兄さんは息を吐いた。 「腕や脚や頭を幾つも持つエリューションなら先日見ましたけど」 そう言って黒金の髪を靡かせ振り返ったのは『鉄拳令嬢』大御堂 彩花(BNE000609)、助手役として着込んだスーツが決まっている。が、決まりすぎて調査員というより大企業の……あ、大企業のご令嬢だったこの人。 「このアザーバイドの風体こそある意味で最も恐ろしいかも知れません。 口というものは身体の他のどの部位よりも人との諍いを起こす部分でから。 しかもその口からは呪詛の様な歌声しか吐くことを知らないとなると、」 浅く息を吐く。 「これではまさに文字通り『口は災いの元』ですわね。」 行きましょう、ペルソナを発動しながら仲間へ告げる。 視線の先には先生の姿、何も知らず平和な表情で「あんまり遠くに行くなよ~」と子供達に呼びかけている。 そんな先生へ、レイチェルが「あの」と声をかけた。 「はい?」 振り返ったそこに立つ人々、ハテどうしたのだろうかと首を傾げる先生二人へレイチェルが続ける。 「これから環境調査を行う予定なのですが……」 「えっ? 環境調査……ですか?」 そんな話あっただろうか、と訝しむ先生であったが、零児の持つ複雑そうな地図や彩花の雰囲気に半信半疑――の限りなく『信』にある状態の様だ。 すみません、とレイチェルが申し訳なさそうに頭を下げる。 「通知がいってなかったんですね、ごめんなさい。 広い範囲を調査しますので……非常に申し訳ないのですが、遠足は中断していただけないかと……」 「えぇっ……」 驚く顔、どうしたのーと寄って来る子供達、――命に関わるとはいえ、残念そうな顔はかなり心苦しい。 (楽しみだったよねぇ……) 俯くレイチェル、その続きはエクスが受け持った。あまり公に出来ないですが、と先生二人に顔を寄せ、小声で話しかける。 「……人体に何らかの影響がでる可能性のある植物も確認されています。 大事は無いとは思いますが……早急に森から離れ、万が一気分が悪い生徒さんが居たらすぐにでも病院で検査を受けてもらった方が良いと思われます」 「何ですって」 それはいけない、と顔を見合わせる先生達。不思議そうな顔をした子供達。 「こんにちわ、良いピクニック日和ねぇ」 そこへおろちが友好的に話しかけた。合わせた視線に――魔眼。 「申し訳ないけれど、今日はこのへんで切りあげてもらえるかしら。ピクニックはまた後日で、ね?」 「…… はい」 催眠状態の二人は素直におろちの言葉に従った。立ち上がり、子供達に片付けるよう指示を飛ばす。だが、それに愚図つくのは子供達だ。 しかしおろちは慌てず、その子達の頭を撫でてあげながら催眠を孕んだ声で囁きかける。 「んふ、ごめんね? 大丈夫、またそのうち先生が連れてきてくれるからね」 わかったー、と頷いた子には「イイコね」と。 程無くすれば、一般人達はいなくなる。 そこへ念の為におろちが強結界を張り、エクスは白衣を脱ぎ捨て、各自耳栓を用意し――振り返れば、万が一の敵の来襲に備えて警戒していた他の仲間達の姿が。 ●まっどなでっどそんぐ ボクは歌うのが好き。 歌を歌うと『楽しい』気分になれるんだ。 ボクの歌を聞いてくれた人が喜んでくれるととても嬉しい。 だから。 「歌をこんな風に使う奴は許せないよ……!」 未発達な感情、乏しい表情、それが普段の『愛を求める少女』アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)。 しかし今は、今だけは。無に近い表情に怒りを孕ませ、足元から影の従者を召還する。 「可愛らしい人形の格好をしたアザーバイドか、興味深いな」 感心している場合ではないけれど。『ダークマター』星雲 亜鈴(BNE000864)は脳内回路の電気信号を飛躍的に高めてゆきつつ分厚いグリモアールを開いた。 その傍らで近付いてくる気配に猟豹尻尾をくねらせるのは『ビタースイート ビースト』五十嵐 真独楽(BNE000967)、その脳裏に例のチャンネルのアザーバイドであったうさきんぐの巨影が過ぎった。 「また名前ばっかりの『ほのぼのわーるど』かっ! 全然コワいのばっかり来て、もぉホントにメーワクだなぁ。今度のもなんか超グロそうだし……」 色々とドキドキするけど、落ち着いて頑張ってこぉ。なんて己を鼓舞するが……うぅ。ついつい尻尾がくてんと垂れる。 「マザーグースかぁ。日本じゃぜんぜん聞かないけど、両親の実家いくと聞いたりするね」 レイチェルもそんな事を呟きながら皆に翼の加護を、聖夜に降る雪の様な純白の軽鎧“タイプ・レアー”を纏い魔法杖“タイプ・キュベレ”を構える。彩花も流水の構えで待ち構える。 やがて聞こえてくるのは陽気な歌――らんらら♪らんらら♪ 耳栓、ヘッドホンの準備。 『来たようだ』 聴覚を塞いだ分、連携については亜鈴のハイテレパスが補う。頷く一同、現れた敵影、設置するラジカセ、 「ZUN,ZUNZUNZUNDOKO\758!/」 ノリノリでおろちが、 「758サンの歌を聴け―!」 スイッチオン。 『758サン、一番自信のある歌を一曲歌ってもらうわん』 『エッ。おろち様?』 『歌ってもらったのをラジカセに吹き込んでおくよ……』 『エッ。アンジェリカ様?』 『大名古屋音頭や名古屋囃子がいいのかな……?』 『ちょ 私、名前は名古屋ですが名古屋人じゃ…… 痛い痛い痛い真空管握り締めんとって下さいよぉお!』 <大名古屋音頭> 大という字を踊り笠 名古屋音頭でなごやかに リャント リャリャント 踊リャーセ ソレリャントネ 録音テープを使用して歌VS歌。 (ま、まさか、BS食らったりしないよね?) ドキドキする真独楽であったが耳栓の所為で(お陰で?)聞こえない。一方、マザーグースさんが流し続ける恐怖の歌の方は――やはり神秘によるものだからか、完全に防ぐ事は出来ない。ズクンと痛む脳味噌。が、耳栓や名古屋ボイスで多少は軽減されているようだ。 なれば後は攻めるのみ。 ブーステッド・ブーツのブースターを吹かせ、いの一番にマザーグースさんへ吶喊したのは彩花。彼女目掛けて突き刺してきた舌を跳んで躱し、その舌に降り立ち、戻る勢いに乗って駆ける、駆ける、黒髪を靡かせ、White Fangに紅炎を乗せて。 「――はァッ!!」 叩きつける業炎の一撃、顔面を捉えた重い一撃、間合いは開けない開けさせない、兎に角敵の眼前へ。常に肉薄する様に。単体対象攻撃を誘発するべく。 音は聞こえないが、空気を震わせる感触――敵の悲鳴か。赤々と燃えて。人形っぽいからといって燃えやすいとも限らないが、やるだけやってやるのみ。刹那に全身を打った大絶叫に耐えながら。 「うひゃあ! や、やっぱり、超気持ち悪い!!」 顔の前で腕を交差させ衝撃に耐えた真独楽は顔を顰めた。 (目がいっぱいあるのが一番コワいと思ってたけど、口いっぱいってゆーのもホントグロいなー!) ふえ~ん……しかし泣いている暇はない、クローを構えて矢の様に走り出す。 「こんなの長く見てたくないし、ばんばん攻撃して……できるだけ早く! やっつけるぞっ!」 繰り出すのは目にも止まらぬ超速連撃、圧倒的な手数で追い詰める。エクスも漲る戦気を纏い、零児も右目を真紅に光らせ、息を合わせて落雷の様な豪撃を。 「――♪」 カクカク、人形らしい動き。揺れるカントリードレス。止まらない歌はじわじわと脳味噌を蝕んで逝く。向けられる掌、手――口笛。 甲高い音波、怪音波。 「~~ッ!」 キーーン。響くその音は耳栓を突き抜け鼓膜を破壊し脳味噌へ。 ブシュっ。前衛陣の栓をした耳から鮮血が吹き上がる、伝う、鼻血が垂れる。 しかし直後に響いたレイチェルの柔らかな歌が皆を蝕む激痛を奇麗に払拭する、よろめきかけた足に踏ん張る力を与える。 ならばとレイチェル目掛けて放つ舌―― 「この世界の生き物を餌としか思ってないコ、絶対にここで止めるわよん」 立ちはだかるおろち、 防御用短剣で鋭いそれを受け止める。相手は一体、だがペースを握られたらそのまま押し潰される可能性もある……ならば自分は徹底して回復手を護る。集中しながら舌を弾いた。 「……くっ、」 一方、業炎撃の際に腹の口で噛み潰された右手を抱えた彩花が一歩飛び退く。目から流れ続ける歌の所為でジリジリと体力も減っている。それを補う為に森羅行を行うべく空気を吸い込む、同時にレイチェルの浄化の鎧が彩花を包む――視線の先では亜鈴の指揮の下にエクスと零児が剣に雷を、真独楽が速度を刃に、体中に傷を負いながらあくまでも猛攻を仕掛けていた。 「まだまだやれるだろう、頑張れ」 失った精神力は亜鈴が補給してくれる。影の従者に己を護らせたアンジェリカがその死角より気糸でマザーグースさんを拘束した。 さて、自分がやれる事と言えば狙った敵1体にでかい一撃を与えるだけ。零児は脳を蝕む歌に歯を食い縛りながら剣を正眼に構える。フー、フー、と己の息がヤケに聴こえてくる。 やれる事が単純な分、迷いなく思い切って動ける……が、それだけに拘る零児でもない。視界の端に噛み付かれ血だらけになったエクス、刹那に吶喊する彼の刃には赤く赤く力が宿った。 それはエクスからマザーグースさんを遠ざけるよう吹き飛ばす一閃、直後にレイチェルの歌が皆を癒し、起き上がったマザーグースさんの大きく開かれた腹の口を亜鈴がピンポイントで穿ち抜く。 「その口は閉じてもらおうか」 笑む。仲間へ情報を伝達しながら。 歌による状態異常もレイチェルの破魔の光が即座に払拭する。上手く取れた連携のお陰か倒れる者も未だ零。彩花の目論見通り、積極的に肉迫した為か後衛にまで及ぶ攻撃も頻発しないで済んでいる。 追い詰める――真独楽の刃で硬直し、彩花の拳で燃え上がるそれを見、おろちは恍乎と目を細めた。 アタシの目の前でかわいいコ達を散々いたぶっちゃって。 するりと音なく走り出す。 唇に笑みを、 瞳に殺意を、 指先に死を。 「随分たくさんアナタの歌は聞かせてもらったわ。 でもそろそろアナタにお休みの子守唄聞かせたげるわね……!」 レイチェルを庇いながら重ねに重ねた集中。 まるで蛇の毒が気付かぬ内に体内を巡るが如く、死の運命は着実に確実となっていた。 気付いた所で、もう遅い。 ああ、もう遅い、とっくの昔。 「――潰す!!!」 擦れ違い様、植え付けたのは死の爆弾。 3 2 1 ……0。 弾け飛ぶ異形、喚き散らす異形、 「おっと、ここから先は通さないぞ」 暴れ出すのを亜鈴の気糸が捉え、そこにアンジェリカと真独楽が挟撃の形で接近する。 跳躍、二人が振り上げたのは黒い黒い破滅のオーラ。 ――振り下ろす刹那。僅かな一瞬。 アンジェリカの赤い瞳はそれを見下ろし――静かに言い放った。 「歌は、皆を幸せにする為にあるんだよ……」 振り、 堕ろす。 ●ほのぼの 「……ふむ、なかなかの声の敵だった」 マザーグースさんの消滅を見届けた亜鈴がパタンとグリモアールを閉じる。それにしても不気味な敵だった、が、重傷者も無く倒せたのは皆の連携や作戦のお陰だろう。 「何も問題無いようですね」 念の為とある程度現場の警戒を行っていた彩花も髪を掻き上げつつホッと息を吐く。 もうここは平和だろう、後はアークに連絡を付けて撤退、だったが。 帰途、別の場所で見かけた先程の一団。 アンジェリカは歌う。 さり気なくだが、楽しげな歌を。 振り向き、わくわくと寄って来た子供達へ少女は薄く笑みを浮かべた。 「お姉ちゃんと一緒に歌おうか……」 返って来たのは眩しい笑顔。 歌うと楽しい気分になれる。 さぁピクニックの再開だ。 『了』 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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