●娘 それはどこにでもありそうな、よくある話だった。 母親不在の父子家族。仕事のストレスで娘に辛く当たる父。最初は態度がそっけなくなり、一緒に遊ぶ時間がなくなった。やがて罵詈雑言を浴びせるようになり、そして拳が振るわれる。 振るわれる拳に理由はない。おびえた瞳が気に入らない。子供のクセに生意気だ。オレが食わせてやってるんだから、オレが好きにしてもいいだろう。みんな世間が悪いんだ。オレは悪くない! 娘の胸にあるのは幼いころ買ってもらったクマのぬいぐるみ。ただ一度、やさしかったころの父が買ってくれた思い出の人形。人形とともにその思い出を抱き、娘は今日も暴力に耐える。父はまた優しくなる。お仕事がうまくいけば優しくなるんだ。そう信じて。 そして父の手はその思い出のぬいぐるみにも伸びる。娘の予想以上の抵抗に父の力が入り、ぬいぐるみの腕を引きちぎる事になった。 引きちぎられた人形。その音と自らの手にあるぬいぐるみの片腕を見たとき、娘の中の何かが壊れた。堰を切ったようにあふれ出す涙とともに、言葉にできない何かがあふれ出す。 泣き出す娘を黙らせようと父親が拳を振り上げる。 しかしその腕は娘に届く前に何かに止められた。片腕のないぬいぐるみ。その感触はぬいぐるみ特有のやわらかいものではなく、とても硬質的なものだった。 ぬいぐるみの片腕が凪ぐように動く。 それだけで、父親は吹き飛ばされて動かなくなった。 ●アーク本部 「『万華鏡』が見つけた未来だ。今から急げばギリギリ間に合うかもしれない」 『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)は集まったリベリスタたちに向かって言う。 「ノーフェイスとエリューション・ゴーレムだ。それぞれフェイズは1。覚醒したばかりだね。ノーフェイスは泣き声で周りのみんなに衝撃と精神的な揺さぶりをかけてくる。ゴーレムは自らを硬くすることと、近くにいる人間を吹き飛ばす能力を持っている」 淡々と伸暁はエリューションの説明をする。 「ノーフェイスは十歳ぐらいの女の子だ。父親に虐待を受け、大切にしていたくまのぬいぐるみを千切られたとき覚醒した。ゴーレムはそのぬいぐるみ。父親を排除しようと動くみたいだね」 虐待。その言葉にざわめくリベリスタたち。 「じゃあなにか? その子は父親に愛されず、なおかつ運命にも愛されなかったのか?」 首肯する伸暁。そしてフォーチュナとしての義務を告げる。すなわち、エリューション打破の任務を。 「任務はノーフェイスとエリューション・ゴーレムの活動停止。そして近くに倒れている一般人の無事だ」 虐待されていた娘を殺し、虐待していた父親を護れ。そういっているのだ。 その任務に嫌悪感を示すものもいたが、口には出さない。悪いのがこの父親だとしても、エリューションを放置することはできないのだ。ましてやそれが人に害為すものであれば。 「今からいけば父親が吹き飛ばされた場面にギリギリ間に合う。実力的には君達なら簡単に対処できるだろう。幸か不幸か父親が家の中でよく暴れるので、戦闘の音が多少派手でも問題ない」 ブリーフィングルームのモニターに地図が映し出される。場所はとある住宅地の一軒屋。発生時間は夜。今から移動を開始すれば、間にあうだろう。 「正直あまり気分のいい事件じゃないので、無理強いはしないよ。 でも少女をとめることができるのは、君たちだけだ。よろしく頼む」 伸暁は真摯にリベリスタ達を見ながら、言葉をつむいだ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:どくどく | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年04月29日(金)22:07 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●思いを胸に 8人のリベリスタは走る。 課せられた任務はノーフェイスとエリューション・ゴーストの活動不能。そのノーフェイスは、干支一回りもしていない少女。その少女を殺すことが任務だ。 「ああ気に入らない。気に入らないデス。仕事も、保護対象も、この世界の構造も」 『飛常識』 歪崎 行方(BNE001422) はそんな仕事のないように不満を吐く。否、不満なのは仕事の内容ではない。ノーフェイスは倒す。だけど虐待を行っていた父親を保護して護るというのはどういうことか。虐待を行いのうのうと保護されてあとは無事、などというのはあまりにもアンフェアではないのか。 (どうしようもない仕事だと。おそらく希望はないのだと。わたくしもそう思います) 『息をする記憶』 ヘルマン・バルシュミーデ(BNE000166)は走りながら思いを馳せる。どうしようもないことだと思いながら、しかし何とかならないのだろうか。思いはとまらない。今でもなお。答えは出ない。ずっと迷い続けている。 (肉親に愛情を貰えずに、世界からも拒絶される。こんな子ですら革醒させるなんて、理不尽なほど神様は公平だな) シスター服を身に纏い、神に皮肉する『鉄心の救済者』 不動峰 杏樹(BNE000062)。いつだって子が望むのは愛されたい。それだけなのに。たったそれだけのことなのに。なのにどうしてこんなに難しいのだろう。神様、一発殴らせてください。 (守りたくとも妻子を守れなかった男がいる一方、守るべき子を害をする父が居る) 『ソウルブレイカー』 竜一・四門・ベルナルディ(BNE000786)は忌々しげに思う。だがそれは感傷だ。どうあれ任務は果たす。この世の為にならぬエリューションを排除することに、彼は何の躊躇いも無い。それこそが自分の望みなのだ。 (運命にも父親にも愛されなかった。でも彼女はまだ運命を『愛する』事はできるはず) 『星守』 神音・武雷(BNE002221)は少女の不幸に嘆きながら、しかしそれでもできることを模索する。何かを愛することの辛さと愛することの喜びを知れば、彼女が彼女自身の運命を愛する事ができたら。この救いのない状況から救われる道が開けないだろうか。 それぞれがそれぞれの思いを抱いて、目的の家にたどりつく。 行方と杏樹が看板などを道路に敷いている間に、竜一が家自体を包むように結界を展開する。これで戦闘中に人が来ることはないだろう。 うわぁぁぁ! ドォン! 家の中から聞こえてきた男の悲鳴。そして何かが壁に叩きつけられた音。 リベリスタたちは顔を見合わせる。おそらく予知した出来事が今まさに起こっているのだ。もはや一刻の猶予もない。 扉を開けて中に入る。 片腕をちぎられたくまのぬいぐるみ。壁に叩きつけられて倒れている父親。 そして、少女。 ●戦闘開始 リベリスタたちの動きは迅速だった。まずはぬいぐるみを倒し、父親の安全を確保する。そのために各々が展開した。 『チェインドカラー』 ユート・ノーマン(BNE000829)が父親とくまのぬいぐるみの間に割って入り、くまのぬいぐるみの進行を妨げる。 「コイツをほっときゃ大事なパパが死ぬ。だから壊すぞ。良いな?」 ユートは少女に声をかけて、十字の光をぬいぐるみに撃ち放つ。他に言えることなんてない。少女の不遇に言いたいことはいくらでもある。畜生、気分の悪ィ話だ。 ぬいぐるみは乱入者が自分の目的を邪魔しようとしていることを知り、標的を改める。まずはその身を固めて、攻撃に耐える準備を取った。 「落ち着いて下さい!」 同じくぬいぐるみの前に対峙した『夜翔け鳩』 犬束・うさぎ(BNE000189)が気の糸をぬいぐるみに放つ。糸が絡みつき、その動きを拘束した。その手ごたえを感じながらうさぎは少女に言葉を放つ。 「そのクマは貴女のお父さんを殺そうとしているんです!」 少女は投げかけられる言葉が理解できないほど困惑もしていないし、彼らの言っている事がわからないほど頭が悪くない。 ただ自分の宝物のぬいぐるみが、自分の愛する父親を殺そうとしているという事実は少女にとってショックだった。 「なんで……やめてよ、やだ……助けて……!」 しかしその言葉はぬいぐるみの足を止めるには至らない。そしてその悲しみこそが、少女の持つ唯一のエリューション能力。慟哭を言葉に乗せ、。心の傷を周囲に広げる。リベリスタたちの心にじわりとその慟哭が感染していく。 「……っ! きびしいデスネ」 悲しみに振れ、行方が戦意を削られる。肉切り包丁を持つ手が震え、くまに向かって踏み出すのを躊躇してしまう。 「これが彼女の悲しみ。父親に愛されなかった悲しみか」 武雷は光を放ち、リベリスタたちの心の震えを取り除く。 「虐待されてなお、父親殿の死を望んでいないのですか……」 うさぎは少女の広範囲に広がった攻撃の中、父親を『攻撃対象』に含んでいないことに驚きを感じ、そして少女の思いを感じ取った。その思いに答え、父親殿は絶対に護りきろう。そう誓い、ぬいぐるみに向き直る。 『悪夢の忘れ物』 ランディ・益母(BNE001403)は持ち前の意志の強さで心の傷に耐えると……構えていた武器をアクセス・ファンタズムにしまう。グレイヴディガー――墓堀の意味を持つその武器は今は要らない。 「皆、ぬいぐるみのほうたのむわ」 ランディはそういうと……無防備に少女に向かって歩いていった。武器も持たずに、自分は敵ではないと示しながら。 任務は忠実にやってきた。現実は不条理だって解ってる。割り切っているつもりだ。 「俺らが運命に愛されてその加護を得てると言うのなら……」 運命を引き寄せてやる。例え無理なこととわかっていても、運命に流されてたまるかよ。 しかし如何にランディがデュランダルとはいえ。如何に少女が覚醒したての弱いノーフェイスだとして。 エリューションの攻撃を構えることなく受ければ、けして無事ではいられない。 「ランディさん。危険です!」 ヘルマンの注意が先だったか、少女の叫びが先だったか。 ノーフェイスの攻撃をまともに受けて、ランディは膝をついた。 ●優しさをあなたに 膝をついたランディが視界に入るが、ぬいぐるみを放置するわけにも行かない。 「隙を突かせてもらおう」 竜一はぬいぐるみの千切れた片腕のほうに回り、死角から魔力弾で攻撃しようとする、が。 (変わらず避ける。死角ではないということか) 対人間なら死角になりえただろう腕の喪失は、エリューション戦においては死角にならないこともある。ましてや相手はもともと『視覚』を持ち得ないエリューション・ゴーレムだ。人在らざる手段で状況を把握しているのだろう。 「く……。あまり傷つけたくはないのですが」 ヘルマンが全身に闘気をみなぎらせ、くまのぬいぐるみに蹴りを放つ。生まれたカマイタチがぬいぐるみの布地を切り裂き、中から綿が露出する。少女の心のよりどころを傷つけている気がして、いい気分はしなかった。もとよりいい気分で行える依頼ではないのだ。 「……ハッ、甘いこと言う余裕はねェぜ! 立ち止まれるような立場じゃねェだろうが。俺達はよ」 そんなヘルマンをユートが叱咤する。同時に光を放ち、少女が与えたネガティブな思考の侵食を打ち払った。 「しかしこれでは彼女があまりにも救われません! 父親に虐待されて苦しんで、挙句覚醒してこのまま殺されるなんて!」 「確かに親父様がもっとマシな奴だったら少しは気分の良い話になったかもしれねェケドよ。根の問題はそこじゃねェ。 この娘がエリューション化したのは虐待したからじゃねェ。フェイトが無かったのもタダの偶然だ。 悪いのは運だ。敢えて言うなら、世界だ。全くクズ野郎の言う通りってワケだ」 ……ハ、なんだそりゃ。自らのセリフに唾棄するユート。 ヘルマンもそれは理解できる。ユートは間違ってはいない。でも、それでも。 うさぎは二人のやり取りに唇をかみ、武雷は拳を握って言葉を飲み込む。 心の葛藤こそあるが、戦局はリベリスタ側に有利に働いていた。 少女の叫びによる精神的苦痛はユートと武雷が癒す。ヘルマン、うさぎ、行方がぬいぐるみに接近戦を仕掛けながら、後ろから竜一と杏樹が攻撃。接近戦組がぬいぐるみの攻撃で飛ばされても父親に向かう道は残ったものが阻み、父親には届かない。 「不本意ながらも、近づかせるわけにはいかないのデスヨ」 行方が二刀の肉切り包丁にエネルギーを込め、一気に引き裂いた。ぬいぐるみが活動不能になるのは、もはや時間の問題だ。そうなればあとは少女を――殺しにいくのだ。 少女の目の前で傷つけられていく、くまのぬいぐるみ。 ぬいぐるみが父親を殺そうとしているのは理解できる。自分の心の傷があそこでぬいぐるみを止めようとしている人を傷つけているのもわかる。 だから少女は思う。この異常事態において、冷静に。どこか冷めたように (もしぬいぐるみがぼろぼろになって動かなくなったら、つぎはわたしのばんかな? なぐられるのは、なれてるからだいじょうぶ。わるいことを、した子は、なぐられるんだからしかたないよね。みんなをきずつけたわたしは、なぐられてもしかたないよね) 抵抗するでもなく、逃げるでもなく、ただ諦念。この少女は、そうやって暴力を振るう父親と暮らしてきた。それ以外の方法を知らなかった。然もありなん。子の模範となるべき親が、抵抗も逃亡も許さなかったのだから。 諦めで濁った少女の視界に、何かが現れる。赤い髪に赤い瞳。流れる血をそのままに、しかし優しく微笑みながら少女に近づく一人の男。 ランディ・益母。 彼は衝撃で倒れ付し、しかしフェイトを使って起き上がり、近づいていく。 かつて彼が義母にそうされたように、ランディは少女に手を伸ばす。殴る為ではなく、抱きしめる為に。 「俺は嬢ちゃんの敵じゃない、話を聞いてくれねぇか?」 千切れたぬいぐるみの片腕にやさしくふれた。ランディはそのぬいぐるみに秘められた記憶を読み取る。父親に殴られぬいぐるみを抱きしめる少女。家でさびしさを紛らす為にぬいぐるみに語りかける少女。ネガティブなものが多いが、最奥にある記憶は違った――誕生日、父親にぬいぐるみをプレゼントしてもらったときの記憶。 ぬいぐるみからつたわる少女の寂しさ。辛さ。そして喜び。 「嬢ちゃん、プレゼントだ。あっちのくさまんの友達だぜ」 ランディがもってきたクマのぬいぐるみを少女に差し出す。諦念でとまっていた思考が揺れる。何故、という疑念と。嬉しい、という感動で。 「安心しろ……嬢ちゃんが心から安心すればアイツは止まる。 もう怖い事は無ぇ……だから俺を信じろ!」 少女を護りたいと心から願う父性の言葉。包み、守り、頼れる言葉。父に愛されたかった少女が求めていたモノ。 ただの偶然か。あるいは本当に少女が安心したからなのか。 エリューション化したぬいぐるみの動きが、確かに止まった。 隙を逃さず、竜一の魔力弾がぬいぐるみを穿ち、その活動を止める。 そして少女は、涙を流しランディに身体を預けた。 「ひっ……ああ、わあああああああん!」 鳴き声が響く。その声に人を傷つける力は、なかった。 されど奇跡は起きず。 世界は彼女を愛さない。 ●おやすみの刃を少女に 限界まで少女の攻撃を受けていたランディは、そのまま意識を失う。命に別状はないが軽視できる傷ではないだろう。応急処置を施し、床に寝かせる。 杏樹が戦闘でぼろぼろになったぬいぐるみを修繕する。仕方がなかったとはいえ、思い出の品は修復してあげたかった。 その間に武雷が少女に状況を説明する。少女に起きてしまった事。それが危険であること。……だから少女を殺さないといけないこと。 事態は少女の常識を超えていた。ただ呆然と、流した涙を拭うことなく言葉を理解しようとしていた。 「……なんとか、何とかならないんですか!」 ヘルマンは叫ぶ。それは皆が思っていることだ。フェイトを得られた自分達。フェイトを得られなかった少女。たったそれだけのことなのに。何故、彼女は殺されなければならないのか。 「それが任務だ」 竜一が静かに切り捨てる。ここで殺さなければ少女は世界を、そして親を殺すかもしれない。それを止めるのも一つの救いなのではないのか、と言外に告げて。 少女は少女なりに皆の言葉を受け止め……口を開いた。 「ねえ、しんだらおかあさんにあえるかな? おかあさんにだきしめてもらえるかな?」 ――それは虐待で磨耗した心の現実逃避なのかもしれない。死というものを理解していないだけかもしれない。 だけど少女は諦念ではなく、希望を持って自らその運命を受け入れた。 武雷はそんな少女を優しく抱きしめる。 「わしはこの先まだまだ香奈子ちゃんに、愛される喜びを、何かを愛する素晴しさを知ってほしか!」 未来において少女が何かを愛することは叶わない。だけど今、彼女は確かに何かを愛していた。抱きしめてくれたリベリスタたちを。父親を。宝物のぬいぐるみを。 「お父さんに何か伝えることはある?」 杏樹が修繕したぬいぐるみを渡して問いかける。少女はぬいぐるみを抱きしめ、 「あのね。おしごとがんばって、って」 皮肉も何もない。ただ純粋に父親を激励する言葉を送った。 「……ひっく」 「泣くなよ」 「無理ですよ。わたくしたちが泣かなかったら、誰がこの子のために泣くんですかぁ」 どうしようもない現実にみっともなく泣くヘルマン。涙こそ流さないが、みな気持ちは同じだった。 おやすみの刃が、振り下ろされる。 「イテェ……何が起きたんだ? ヒィ!」 行方は父親を起こす。目が覚めた父親は見知らぬ乱入者に驚き下がろうとするが、そこはすでに壁。逃げること叶わず行方の視線を受け止めることになる。そして言葉も。 「おはようデスヨ。いらっしゃいデス、取り返しのつかない現在へ」 彼女は起こった現実を話す。世界のことを。少女に起こった不幸を。彼には知る権利と義務がある。 「なんだよ……なに言ってるのかわからねぇよ!?」 「それではさよならデス。がらんどうの部屋で楽しい余生を」 内容は父親の理解を超えていたが、行方は構わず父親に背を向ける。理解できるかどうかは問題ではない。ただ彼女は許せなかっただけだ。父が何も知らないままでいると言うことに。 リベリスタが去って、残されたのは物言わぬ娘の身体。二つのぬいぐるみを抱く少女の顔は、まるで父に抱かれるように安らかな顔だった。 先に撤収していたうさぎは、空に浮かぶ月を見上げる。 目じりの涙をこぼさぬように、静かに月を見上げていた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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