●あくませんぱい降臨 あまねくおおぞらに響き渡る轟音。そして奔る閃光。 ギャギャーーン!! ピシャドカッ、ズババビュビュウゥン!! ゴゴゴゴゴゴ……。 その日、何かが起ころうとしていた。 『我が名はアクマセンパイ。この世界を滅ぼし、新たなる支配者として君臨するもの也』 現れたのはアザーバイド。 そう、アザーバイドだった……。 『ふっふっふ。まず手始めに、アレを手に入れよう』 その日、すべてが始まった。 ●体長約20cmの逆ぱんだ 『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)は軽い溜息を吐いて、つどったリベリスタたちに依頼した。 「このアザーバイドをどうにかしてもとの世界に追い返して欲しいんです」 正面モニターに映し出されたのは何かのマスコットキャラクターを思わせる白黒の、しかしどことなくひねくれた様な目付きの悪い童顔で、三つ目の開いたパンダに似た丸っこい姿をしたアザーバイドだった。だけど白黒ぎゃく……。 「拠点としている場所は判明しています。S市外の公園ですね。自らを『悪魔先輩』と名乗り、幼児等を恫喝している模様です。なんでもその内容が『彼女を寄越せ』というものらしく……」 和泉はリベリスタたちへ向き直り、またふっと溜息を吐いた。 「最新情報によれば、地元の小学校高学年の児童等によって報復を受けたともされています」 ……なんじゃそりゃ。 「今はまだそれで済んでいるかも知れませんが、相手はアザーバイドです。いつどの様な事態に発展するかは分かりません。幸い、凶悪な敵という程では無い様なので、皆さんに直接出向いてもらって対応して頂きたいのです。何とか交渉して帰ってもらうか、最悪、討伐というかたちでも構いません。宜しくお願いします」 ●「カノジョがほしいっ!」 あくませんぱいは、キックを習得した。 あくませんぱいは、ビンタを習得した。 あくませんぱいは、おきあがると児童たちの背中を見送った。 「くそ……ボトムちゃんねるのくせに……いまに見てろよ。カノジョさえ手に入れれば我は異界の大いなるちから『REAL BEAST』とやらを身に付けるのだからな! ハッハッハッハ」 * ●依頼目的 あくませんぱいに本居た世界へ帰ってもらうこと。 ホームステイは認めない。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:小鉛筆子 | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年12月01日(木)23:52 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●うっふん・あっはん・せくしい姉妹の巻き あくませんぱいに、ちょっとしたおっぱいが当たっています。 「ルカたちは三高平いちのせくしーといわれた姉妹よ。うっふん」 『シュレディンガーの羊』ルカルカ・アンダーテイカー(BNE002495)の、ささやかなおっぱいが。 -白と黒、黒と白、今日の世界の迷い子は、 -愛を求めてさまようの。 -だけど世界はひとみしり。理不尽舞い降り、身震い。 by ルカ 「それは一体なんだ。もしや、カノジョの在り処を示す暗号か?」 「いつものルカちゅうにびょーポエムなの」 「チューニビョウ……。第三の勢力となる者の名か! しかし何故お前がそれを知っている?」 ぜんぜん話がかみ合いませんな。 それよりあくませんぱい、ルカの胸には全く反応してないけど、ひょっとして何が当たってるのか分かってない? 「おい、いまなんつった」 ……え? 「何があたってるのかとかいったか?」 え……ええっ!? き、聞こえてたのかしら……えーと、えーっと……。 「おっぱいにきまってんだろ。ちょっとちっちゃいけど。ルカメタの壁をぶち超えてぶん殴るわよ?」 ス、スイマセンデシタ……! 「フッ、肉食系草食ビスハのノアノア様に、任せておけ」 ソーンナコンナをやっていると、横から『ああんっ☆魔王さま!!』ノアノア・アンダーテイカー(BNE002519)登場! ルカルカとは姉と妹の関係だが、彼女のくいくいなボディラインは妹と比ぶるべくも無……、く、えーっと。 ナックル・ボンバーー!!☆ (よし、ごまかした!!) 曰く、『好い女はケツで語るもの』との教えを自ら実践し、ぷりんぷりんとあくませんぱいの目の前で極上のヒップを惜しげもなく披露☆。 ぷりん♪ ぷりん♪ ぷりん♪ ぷりん♪ ぷりん♪ ぷりん♪ あくませんぱいは、ノアノアのおしりをじっとみつめた。 「誰だお前は?」 ぷに。 「魔王先生だ!」 ピシャドカーーン!! あくませんぱい、先生に捕まる。 「こらっ、悪魔くん、こんな所で私の授業サボっちゃ駄目でしょ? 先生怒っちゃうぞ、ぷんぷん!」 「……これは一体……どういう事だ……?」 ノアノアは自分の膝の上にあくませんぱいを乗せ、彼の短かな脚をさわさわする。 「先生、知ってるぞ? 最近幼馴染のルカちゃんと仲良いんでしょ? 先生、妬いちゃうなぁ?」 あくませんぱいは黙ったままじっとしている。ノアノアの過剰な色香にキンチョウしているのか? こいつには彼女よりももっと素敵な事があるのを教えねばならねーと、ノアノアは密かな計略を企てていた。――時には厳しく、時には優しく。そんな美女教師にイヤンな野望を抱かないボウヤがこの世に居るだろうか? 答えは否――! そして渾身のピンク声で耳元にささやいた。 (エコー・ON) 「「 「なぁ……? スケベしよーや」 」」 (エコー・OFF) ニヤリと流し目のノアノア。あくませんぱいがくるりと振り向く。 「よし。受けて立とう」 真顔で答えたあくませんぱい自信たっぷりのご様子。 「だが、我が普通におこなってしまったら、先生といえどもどうなるか分からん。ここはひとつハンデをくれてやる」 曰く、スケベのウデはかなり立つと。さすがはあくませんぱい。 ならばありがたくハンデのご厚意に感謝しておきましょう。 「ブレイク! フィッアアアアアアアアアアア!」 本気を見せたノアノアが上着のボタンを解き放つ。ふたつの大っきなふうせんがポポーーンッ!! 「魔王先生は優しいだけじゃないぞ!」 「フン! お前こそ我を見くびるなよ。大いなるスケベは我にあり!」 言うが早いかノアノアへ飛び掛るあくませんぱい。 対するノアノアの妖艶なボディがしなやかにくねる。おもわず溜息の出るような、豊かでカタチのととのったおムネが、くゆんっ、と弾んで。 ☆タピシャアーーーーァァン!! おっぱいビンタ炸裂!! 場外ホーームラン!! 飛んでゆくよあくませんぱいどこまでも。 「愛の鞭だ! 無知なお前にな! むちむち言ってると俺様がムチムチみてーだな。否定はしねーけど!」 キメは、セクシーポーズであっはん☆ あくませんぱいは、おっぱいビンタを記憶した。 ●【カノジョとは何だ?】の巻き 「せんぱい、捕まえた」 いきなり捕まえられた。 気配を殺して背後から迫ったのは、『ゼログラヴィティ』星川・天乃(BNE000016)。 「どうもこの世界の輩は、我を抱えるのが好きな様だな」 あくませんぱいは動じない。 天乃はテンプテーション能力を発揮してあくませんぱいを見つめる。 「私、強いひとが好み、なの。もっと……沢山ラーニングして、スキル蓄え、て」 巧妙に仕掛けられた眼差しにあくませんぱいはどう出るか。 「その為にも、我はカノジョを手に入れたい。お前も命が惜しかったら協力しろ」 あくませんぱいは、さりげなくテンプテーションの技を盗んだ。 「この世界には属性というものがありまして――」 今度は『アメリカン・サイファイ』レイ・マクガイア(BNE001078)が属性について語りだす。ツンデレやショタやメイドなどその区分は多岐に亘り、意味や派生、それらの相違点などを事細かに解説していった。 「『毛も耳』だと? 無節操な輩だな。全身耳だらけなんて逆に不便じゃないか!」 「『けも耳』ですあくませんぱい。そんな不可思議生物、この世界にも居ませんから」 「ならば、『芽が根っこ』とはどういう事だ。成り立たんではないか!」 「それは、『メガネっ子』ですあくませんぱい。かく言う私は無表情キャラです。お嫌いですか?」 「ええい、そんな事よりカノジョの在り処を教えんかッ!」 「ではその前に、あくませんぱいにはリア獣とはどんなものか理解していただきましょう。いいですか?」 リア獣とは恐ろしい力です、とした上で、噛んで含ませるように諭しながらレアの解説は続く。 「――その力を持たぬもの、つまり非リア獣ですね。彼らから羨望を一手に受け、恨み、妬まれ、やっかみ、呪いの言葉を吐かれ、爆発四散しろだの滅亡しろだのと物騒な事態になることを覚悟してください。そしてリア獣になるために彼女が必要なのは理解していますね?」 あくませんぱいの耳がぴくっ、と動いた。 「単なる『妄想』でもなければ、いわゆる『2次元』とかでもなく、きちんとした実在としての彼女が必要です。彼女と愛を交わし、衆人環視の中で堂々と手をつないだりイチャつけるだけの、図太い神経と覚悟が必要になります。二人の世界を築けぬ者にはリア獣の力は身につかないのです。たくさんの彼女に囲まれるのも一種のステータスですが、一人に絞れぬようなら真の力を得られぬと思ってください」 「カノジョを手に入れ、真世界を築く……それが『REAL BEAST』、いや、『リア獣』の大いなるちから!?」 なんか違う方向で壮大なイメージが広がってる気がする。 (ちょっと待て。……沢山のカノジョ? 二次元? 妄想と実在? カノジョには次元を超越する機能が備わっているというのか? それらを一つに収束させるとき、真の力を発動するという事だろうか? う~ん、想像がつかん。ドキドキしてきた……) 「あー、クマ先輩は、カノジョが欲しいの?」 レアの胸の上でドキドキしているあくませんぱいをひょいっと取り上げて『いつか口からフレアバースト』リナ・クリスティッド(BNE003209)が胸の中にぎゅ~うっと抱き締めた。 「えっと、カノジョ、なっても良いよ。私もパンダさん、もふりたいから」 その言葉にあくませんぱいが素早く反応した。 「お前が寄り代となってカノジョを召喚するというのか!? よしやれ! すぐやれ!」 興奮してあくませんぱいはリナの胸をぽにぽに叩く。 「カノジョって、一緒に遊んだりする人の事だよね? いいよ。遊ぼ?」 「はぇ?」 じゃあラーニングごっこ、と言ってリナは色々と仕込んできたネタを披露する。 「しはいしゃのぽーーず」 「!!」 「ひっさつおいろけうっふんびーむ」 「???」 「フレアバーストとか、教えてあげたいな」 じゃあ、いくよー。ボボーーーン。 * 「ぅう……」 気が付くとあくませんぱいは天乃の膝の上で看病されていた。「良かった、気が付いて」 どうやらフレアバーストで酷い目に遭ったようだ。 「お茶、飲める?」 つと差し出されたコップに湯気の立つお茶が入っている。両手を添えてその中へ顔を突っ込むと、ずずず、と豪快にいった。 「熱ち!」 あくませんぱい全身包帯でぐるぐる巻きになって、なんだかさらにチャーミィな姿に。 「あーん」 と、あまーい厚焼き玉子を口に入れてもらい、もりもり咀嚼。 そんな殿様待遇のあくませんぱいの傍へ、『不誉れの弓』那須野・与市(BNE002759)も遠慮がちに近寄ると、三つ指を突いて重箱を差し出した。 「あくませんぱいをおもてなしする為に用意しました肉料理にございますのじゃ」 かぽ、と蓋を開ければきらきらまぶしい艶を放つ照り焼きであるとか、香ばしい焼き加減の生姜焼きであるとか、サクサク感たっぷりなカツレツであるとかがお行儀良く収まっていた。 与一は是非、あくませんぱいにも箸の使い方を覚えてほしいと言い、「あーん」 し合いながら実地訓練に乗り出した。 「り、……りあじゅうになるにはの、お箸であーんしあえるほどの彼女が必要なんじゃ……」 与一は少し良心の呵責を覚えながら、あくませんぱいにそう教え込む。 「なるほど。これを使いこなせばカノジョを手中に収めるのも容易いという事か。よし! あーんしろ」 自分の身の丈ほどもある長い箸(子供用のお箸なんだけど…)を両脇でがっちりホールドし、UFOキャッチャーの要領で重箱の上まで連れてってもらったあくませんぱいは、生姜焼きを選んで与一の口元へ持ち上げた。 「あ、あーん……」 与一の頬がポっと染まる。 「どうだ、うまいか?」 ドヤ顔のあくませんぱい。 くちゅくちゅとお肉を噛みながら、コクリと頷く与一。 あくませんぱいは短時間で見事に箸の使い方をマスターした! 「うむ。与一のおかげで心なしかパワーが戻ってきた気がするぞ!」 けれど、そもそも『カノジョ』が何であるかという理解が全く遅れているというのは、いやはや変な話です。 ●~ラブ+♪ ~の巻き 華やかな女子たちに囲まれてきゃっきゃウフフな公園の片隅。 「いや~ぁん、あくませんぱいったらぁん♪」 いつものキャラとまるで違う『つぶつぶ』津布理 瞑(BNE003104)がジュースやお菓子を囲んであくませんぱいと談笑。 「ところで――」 宴の席もほどよく温まってきたところで瞑はふと切り出す。「最強のカノジョと言ったらコレには誰も勝てないわよね」 そしてバッグから取り出したのは携帯ゲーム機と、バーチャル彼女とデートするゲームソフト。 「最強の……カノジョ……!?」 「そ♪」 あくませんぱいは身を乗り出してそれを受け取る。 「元の世界に戻ったあともカノジョと過ごして貰おうと思って」 「そんな事が可能になるのか。これで?」 「言っておくけど、向こうで充電できなかったら数時間分の命しかない儚いカノジョだから」 それを聞いて不安そうに見上げるあくませんぱい。 ぴっ、と充電用アダプタを取り出した瞑は、そんな彼に向かって優しくウィンク☆。「初めてなんでしょ? 瞑が正しい充電の仕方、教えてあ・げ・る♪」 あくませんぱいの手に渡されるコンセント。その上から瞑がそっと両手で包み込んで……。 「ほら、……握って、こうやって……するの…」 きゅっ。 ぐぐぐっ。 「あん。もっと優しく……、あんまり激しすぎると……壊れちゃう!」 あくませんぱいは、優しいヒューマン・ダイナモを覚えた! 「かわいいパンダさんなのですよ~♪」 するとそこへ、ひょこひょこと謎の生物が登場。 実はコレ、アークで販売中の着ぐるみで、中身はなんと来栖 奏音(BNE002598)。耳の辺りには赤いリボンが結んであって、女の子っぽさが際立つ。 「うおっ!」 あくませんぱい、興味しんしん。 ぎゅぅぅ~~って抱っこされ、撫で撫でされながら、「大変ですねぇ」 って労いの一言がかけられる。 「うむ。カノジョを探す旅は予想以上の困難だ」 結局、カノジョの正体を掴む事無いままお別れの時間がやって来た。 ●I’d never promised you a Happy Ending!! 「ごめんね、あくませんぱい。私たちもう帰るね」 そう言ってリナはあくませんぱいを膝から降ろした。やっとカノジョの手がかりを掴めそうだと思った矢先に訪れた寂しい別れ。 「自分の世界を……獲ったら、迎えに来て。その時は、打ち倒して、自分のモノにすれば、いい」 天乃は誓いの証に、あくませんぱいのおでこへ、チュッ。 「奏音の代わりにこの子を連れて行ってあげてくださいなのですよ♪」 奏音からはぬいぐるみのおみやげ。 「いや、我はまだ帰らぬぞ? そうだ、お前達の家へ案内しろ。今日泊まってく!」 何を言い出すかこの逆ぱんだは。 「日が落ちる前にちゃんと帰らないと、恐ろしい事が起きるんだよ」 「ほら、えっちな本やるから」 「やだやだっ帰らんもーん! まだカノジョを手に入れていないのに!」 短い足で地団駄を踏む。 「では、あなたはこの中から一人、選べますか?」 と、レイが問えばあくませんぱいも問いで打ち返す。「何故お前達の一人を選ぶ必要があるのだ?」 「カノジョ、って一人に決めなきゃダメなんだよ?」 リナの返答にあくませんぱいは混乱しだす。問題は、あくませんぱいの認識する『カノジョ』に大きな誤りがあるという点だ。 「『彼女』が具体的にどういうものなのか分かってますか?」 「それが分かるようなら苦労はしないだろうな」 ガガーン……!! よく知りもしないのに、なんとエラソーな! 「ではまずそこから説明しないと……」 そして、レイの解説再び――。 「なるほど。要するにカノジョとは女子の別称で、その者らを配下におく事により『REAL BEAST』というレッテルが貼られる仕組みなわけだな?」 ちがいます。 「むむむ……!」 「配下にではなく、相思相愛になるのです」 「めんどーくさいな……」 「な゛っ!? それでは一生『リア充』とは無縁のままですよ?」 「いいや」 諦めんの早っ! 「でも、やっぱり――」 やっぱり……? 「世界制服の野望はあきらめん!」 ―――☆ばっこーーぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおん!! 夕焼け空を高く高く飛翔するあくませんぱい。 「楽しかったよ。ばいば~い」 穴に落っこちていったあくませんぱいに手を振るリナ。 「また来てくださいね! せんぱいっ☆」 元気いっぱいの笑顔で見送った後、瞑はD・ホールをしっかりと閉じた。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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