●ミタミライ カラカラカラ…… そこは酷くゴミだらけ。分別のブの字もないほど適当雑把に荒れ放題。 カラカラカラ…… ゴミが転がる。 寄り集まる。 ――やがてムクリと起き上がった。 ●カエルウンメイ 「サテ。皆々様こんにちは、あるいは初めまして。アークが誇るロボっこフォーチュナのメルクリィですぞ」 そう言って事務椅子をくるんと回しリベリスタ達へ向き直ったのは『歪曲芸師』名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)。 集まった一同を機械の目玉で見渡すと、では早速と言わんばかりに卓上へ資料をデンと置いた。 『E・ゴーレム討伐大作戦☆』――無駄に洗練された無駄のない無駄なフォントがリベリスタ達の目に映る。 「今回の任務は戦闘経験の浅い方や肩慣らしをしたい方、初心に返ってみたい方、おニューの武器の試し斬りをしたい方などなどエトセトラエトセトラにドンピシャなイージー系ですぞ。 ……ん? 『いい加減2ndから離れろよ』って? あ、次も2ndナンチャラですので。 と言うのはさておき、今回の内容はデラシンプル……『E・ゴーレムをやっつけるだけ』でございます。 相手はフェーズ2ですが、個体能力値もそんなに高くないし一体だけなので皆々様なら問題ナシですぞ。 ですが! 油断や驕りは絶対禁止ですぞー。不注意こそが皆々様の最大の敵と言っても……っと、釈迦に説法でしたな。失礼、フフフ。 ではでは長話もアレなのでちゃちゃっと説明しちゃうとしましょう。私と長話したいのでしたら後程個人的にガッツリムッツリドッツリと。 それじゃ、耳かっぽじってお聴き下さいね」 ニッコリ。相変わらずの調子で相変わらずの顔面凶器微笑、そしてその背後モニターには何時の間にやら小広い空き地と――蠢く異形が一体。 「E・ゴーレムフェーズ2『アルミチール』。革醒したアルミ缶とスチール缶が寄り集まったE・ゴーレムでございます。 配下エリューションは無し、先に申し上げました通り個体能力値は低めですぞ。 詳しいデータ等はそこの資料に纏めておきましたので、宜しければお目通しを。チラホラと状態異常を伴う攻撃がありますのでお気を付け下さいね! では次に場所について説明致しますぞ、もうちょっとだけお付き合い下さい」 お望みとあればいつまでもお付き合い致しますが。なんて軽口を挿みつつフォーチュナがモニターを手早く操作すれば、先の映像のズームアウト画像が表される。 遮蔽物の無い空き地。そこには不法投棄やらポイ捨てやらでゴミだらけであった。地面の見える割合の狭さ……少し移動に困りそうだ。 うっかりビニール袋なんかを踏み抜いたら足を取られて転んでしまうかもしれない。 「ご覧の通りゴミだらけの空き地が今回の戦場ですぞ。 全く、こんな所に遠慮なくゴミを捨てて行く奴儕に『ゴミはゴミ箱へ』って原稿用紙二百枚分書かせてやりたくなりますな! と言うのはさて置き……ここ、足場悪いですな。何の対策もしてないと十中八九転びます。ゴミにダイブしちゃいますぞ。 飛べる方は問題無しですが、そうでない方は翼の加護とかハイバランサーとか安全靴とか……何かしら考えておく事をお勧めいたしますぞ。 どうしようもなくっても、ちょっと足下を注意しつつ行動するだけでも転ぶ確率はやや下がるかと。 時間帯は夜、星明かりや街灯でそれなりに明るいので戦闘に問題はありません。 それと一般人は来ないでしょう、ご安心を。 ――以上で説明はお終いです。オッケーですか?」 メルクリィの視線にリベリスタ達はしっかりと頷き返した。では、と薄笑みと共に機械男が低い声で言う。 「お気を付けて行ってらっしゃいませ! 私はリベリスタの皆々様をいつも応援しとりますぞ。フフ。」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ガンマ | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年12月11日(日)23:36 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●ゴミゴミっと 星、月、遠くからの街明かり。 それに照らされ、ゴミ、ゴミ、ゴミ。 ああ、ゴミ、ゴミ、ゴミだらけ。 「こんなに汚したら、地の神様だって怒るでしょうに……。 ここに怪異が発生したのも、私達のヒトの所為かもしれません」 安全靴でゴミ空き地を踏み締め、『止まらない自律機械』柏崎 未來(BNE003196)は精悍な表情に憂いを滲ませる。 それでも、エリューションはここに居てはならないモノ。気を引き締め前を向く。 「天に神坐れば御照覧在れ……柏崎未來、参りますッ!」 ガツン、ガントレットで武装した拳を搗ち合わせ、闘志凛々。 それにしても見事なまでにゴミだらけ。 誰かが捨てると、同じように捨てる人が増える。そうして出来たゴミの山――見てると空しくなってくるわ、と『十字架の弾丸』黒須 櫂(BNE003252)は邪魔なゴミを足払いで退けつつ溜息を吐いた。 まぁ、そうも言ってられないわけで。 「さて、お片づけ……しましょうか」 やるしかない。周囲と足元の確認をしつつ……しかし、ゴミが臭う。鼻栓が欲しいぐらいだ。櫂の整った顔立ちに不快が走る。 「ゴミとして捨てられて、放置されたものから生まれたEゴーレム……。 何であっても革醒する時はするのだし、それがたまたま不法投棄されたゴミだっただけなのだろうけど。 ……そこに何か感じるものがあるのは、日本の文化故ですかね」 そう言うユーディス・エーレンフェルト(BNE003247)の凛とした顔立ちはゲルマンのそれだけれども、彼女は生まれも育ちもこの日本。 いずれにしても、Eゴーレムも不法に捨てられたゴミもそのままにしておくわけにはいかない。 「倒して、片付けて……在るべき流れに戻しましょう」 見渡すゴミから視線を上げる。その手に重槍を携えて。 「捨てられたゴミが怒っちゃったのかも――そんな気がします、紫です!」 皆で後でお片付けしましょうと『天心爛漫』東雲・紫(BNE003264)は元気溌剌、剣を持った腕をぐるぐる回して準備体操。 お片付け。でも、その前に倒さなくてはならない事がある。 「空き缶が固まって出来たゴーレムねえ」 アルミ缶が集中してる所を攻撃すりゃ少しは柔らかいのかね。なんて、『聖母の生まれ変わり?』澄芳 真理亜(BNE002863)は顎に手を添え小首を傾げた。 まあ、自分の仕事は回復の歌を紡ぐ事。その辺は前衛陣に任せよう。 「支援は任せておきな!」 魔杖を構え、体内魔力を活性化させ、見守るのは仲間達の背中。 「初心者でも出来る簡単なお仕事! まずはこういうところから地道にコツコツ行かないとっスね」 元気な声と共に剣と楯を構える『忠犬こたろー』羽柴・呼太郎(BNE003190)。安全靴で固めた足で邪魔なゴミを蹴っ飛ばしながら、 「えーっと……文字通りゴミ掃除な、お仕事っスね……。 ま、まぁコレも仕事っスからね! きっちり片付けて帰るっスよ!」 そう、今回の任務は文字通りゴミ掃除。 「……まあ、妥当な所かしらね。ああ、勿論侮っているわけではないのよ? どうせ綺麗なお仕事なんて今後も無いでしょうし」 覚悟をする意味でも汚れる仕事というのは丁度良いのでは、と思っているだけよ。と、マナサイクルを発動しながら片桐 水奈(BNE003244)は付け加える。凛麗な水色の髪が夜風に銀河の如く靡いた。 足場対策として安全靴、見栄えが良くないのは悩ましいが贅沢は言えない。そのままクロスを幻想纏いから召還し、周囲に結界を張り巡らせた。万が一も億が一も潰しておくに越した事はない。 「ゴミはブタ箱へ! 全く、こんな簡単な事すら分かってない人が世には大勢いるやうね。 ん? ゴミ箱だったかしら。まぁ、良いわ」 箒に乗ってふわふわと、ゴミ野原を見渡す『ぺーぱーまじしゃん』リウビア・イルシオン(BNE003100)。体内魔力を活性化させ、ふらふらふらふら左へ右へ視界にチラチラ。ウザい。 ヤレヤレ。溜息を吐いた水奈はキッと前方を見澄ました。仲間達も武器を構える。 「──それでは『ゴミ掃除』を始めるとしましょうかしら」 8人の視線の先――蠢く、ゴミ影。アルミチール。 ●ゴミゴミナイトフィーバー 「あれが敵のアルミチール……何だか、とっても残念な感じ!」 言葉と同時に櫂が自動拳銃の引き金を引いた――落ちる硬貨すら射抜く正確無比な射撃、それと同時に戦気を漲らせた紫が吶喊する。 ガンガン前に出て、真正面から斬り合うのみ。櫂の1$シュートを腕で防いだアルミチールへ、力一杯剣を振り上げる! 「気合いを溜めて~、ドーン!」 エネルギーを注ぎ込んだ業剣の一閃、直撃し吹き飛ばすまでは能わずとも異形を強く圧し遣る。負けじとアルミチールは間合いを詰め、その堅い腕で前衛陣を殴り飛ばした。 「なんか……小学校の時の工作をちょっと思い出したっス」 一撃を楯で凌いだ呼太郎が呟く。乳性飲料の空容器とか牛乳パックとかで……っと、そんな事より戦闘だ。今は昔に思いを馳せている場合ではない。 「うらァーー!!」 走らせる勇鬨、爆発させる膂力に任せて剣を振るう。確かな感触。振り抜く。火花。 「さぁ、仕合いましょう!」 天に神坐れば御照覧在れ。未來がその場で鋭く回し蹴りを行えば、真空刃が発生しアルミチールを襲う。 と、その同時に『ティローン♪』と場違いな効果音が鳴ったのは――リウビアだ。 箒に乗って余裕綽々、空中にテレキネスでゲーム機を浮かべてゲームの戦闘用BGMを鳴らしている。 アレの所為か。なんて眉根を寄せた未來の視界を突っ切る――空き缶が、 スコーン。 「きゃぅっ!?」 リウビアのおデコにクリティカルヒット。ボテン。箒から落下。『デデーン』とゲームオーバー音が鳴る。 「はわわー リウの周りでお星様がスカイハイ……」 「危なっかしいな……ほら、しっかりしやがれ!」 ゴミに埋もれてグラグラ揺れた脳味噌の所為でピヨピヨ星を出す魔法少女を奮起させつつ、真理亜は破魔の聖光でそのショックを拭い去った。 全く、とメイジスタッフを構え直す真理亜の傍ら、リウビアは気を取り直して宙に浮かび、箒に座る。ゲーム機を浮かばせる。詠唱する。構築した魔法陣から放つのは魔法のミサイル。 着弾の爆風――それでも振るわれる空き缶の腕がユーディスを殴り付けた。 「くっ……!」 飛び退けば豊かな金髪が夜に尾を引く。額から伝う鮮やかな赤は頬へ、顎へ。拳で拭ってヘビースピアを構える。痛くないと言えば嘘になる。ジンジンと痛みが脳に響く。 しかしそれを立ち所に拭い去ったのは―― 「我が声に応えよ、汝の子を愛せ」 水奈の詠唱、それによって巻き起こった癒しの微風であった。 天使の息は柔らかく彼女を包み、意識を苛む痛みを、体中にできた傷を奇麗に拭い去る。もう大丈夫、アイコンタクトで水流の髪をした癒し手に礼を述べれば穏やかな笑みが返って来た。 ヘビースピアを握り直す。呼太郎、紫と激しい攻防を繰り広げ、あるいは後衛陣の攻撃を掠めるアルミチールを鋭く見据えた。 足場に気をつけつつ――あくまでも積極的に接近、打ち出された缶が頬を掠めて切り裂いたが臆さない、大上段に重槍を構える。神聖な力を宿す。 「――落ちなさいッ!!」 重撃、魔を落とす驚異の鉄槌。 強烈な一撃にアルミチールの上体が揺らいだ。すかさずその左胸を穿った光弾は櫂のスターライトシュート、回復の有効範囲から外れぬよう……或いは足場に気を付け、且つ接近されぬよう己の立ち位置・戦況を冷静に見渡す。判断する。 「……吸血はカンベンだわ……!」 オートマチックから立ち上る硝煙をフッと吹きながら思う。もしも、アレ吸血したら……イヤ止めておこう。何かが込み上げてきそうだ。うぅ。 一方、ショックにふらつくアルミチールの攻撃を紫は難なく剣で流した。お返しに、愛剣へパワー一杯全力剣技。 「わたしの全力、受けてみろー!」 全力の一閃、アルミチールのガードごと思い切りぶっ飛ばす! 吹っ飛ばされた異形が転がったのはゴミが比較的少ない所――足場が良い所。紫の計画通りだ。 今がチャンス、追撃、呼太郎とユーディスと共に武器を振り上げる紫、であったが。 ハッとする。 が、時すでに遅し。 ショックを振り払ったアルミチールの体を構成する缶という缶から…… ばしゃん。 ベタッとした液体が顔面から。しゅわしゅわどろどろ、服を身体を這う様に伝う饐えた悪臭、悪臭、なんて、なんて、なんて凄まじい悪臭ッ……! 「やだぁ…… 臭 い で す ……」 クラクラ、フラフラ、グルグル、ヘロヘロ、意識が遠のく――ココハダレワタシハドコー。 「ちょっと……!」 「しっかりして下さいっスーー!?」 クサイヨクサイヨーアハハハハと前衛陣へ剣を振り上げた紫、狼狽するユーディスと呼太郎。 その間にアルミチールが後衛陣へ向かって来た! 「!」 しまった、飛び下がろうとする後衛陣――しかしその前に悠然と立ちはだかる自律機械が一体! ガシャコン、駆動音を響かせて、その左腕に炎を纏って、右目の十字で敵を見据え。 「止まりなさい!」 吶喊、頭部的部分へ思い切り叩き付ける業炎の拳。 「此処から先は通しません!」 放熱の蒸気を左腕から吐き、火に焼かれゴミ山に転がったアルミチールを睨んだ。 その間に水奈は混乱して剣を振り回す紫の元へ、「紫さん」と呼びかけつつ――うわっ酷い臭い――手にしたペットボトルの水をその顔にぶちまける。少しは目が覚めると良いのだが。 直後に手の空いた呼太郎がブレイクフィアーを放ち紫の混乱を払拭する。ハッと意識を取り戻した彼女へ、呼太郎は気さくに笑いかけた。 「気にしなくて良いっス! コレも自分の仕事っスからね!」 ホッと。それを見届け、一先ず安堵したマリアは詠唱を始める。 紡ぐのは奇跡の祈り。奏でるのは至上の福音。杖を天に掲げた。 「こんなゴミ山に倒れたくねえだろ? 踏ん張れよ、お前等!」 歌が、癒しの歌が、清らかな歌が、聖なる歌が、鳴る、響く、奏でられる。 二重奏。水奈も歌う、癒しの合唱。 それは仲間達を完全に癒し切った。 「――そこ!」 「リウにかかればお茶の子カタストロフ!」 刹那、同時に戦場を駆けたのは櫂のスターライトシュート、リウビアのマジックミサイル。 牽制する様な二撃にアルミチールの体がふらつく。ポロポロと缶が落ちて行く。 あと少しか、ならば全力で行くのみ。 「ファイトー、いっぱーつ!」 紫のメガクラッシュが圧倒し、更に呼太郎もヘビースマッシュを叩きつける。 「戦いましょう、最後まで」 凛然、ユーディスの聖なる一撃が追い詰めた。アルミチールが片膝を突いた。 それを見据えるのは真理亜、詠唱によって魔矢の魔法陣を構築し、狙うはアルミ缶部分と思しき所。 下手な鉄砲数撃ちゃ当たる。放たれた矢、それは異形を貫き――文字通り、バラバラに散らしていった。 ガランガランガラン……。 一つの缶に戻ったそれらが、転がる。 ●ゴミはブタb ゴミ箱へ 「……ま、待って! みんな! ……残骸が……集まっていく……!?」 それは皆がアルミチールの残骸から意識を外した瞬間、リウビアの声。 カタカタカタ、集まって行く缶達……! 「!?」 振り返って驚愕の顔、武器を構える7人――が。 「ちょっ……やめ……やめてよ……腹筋が……! 本気で攻撃しようとしてる、この人たち……! ただのゴミに……本気で ッぶふハッ!?」 リウビアの悪戯だったらしい。テレキネスの悪用例。腹を抱えて笑い転げていた彼女に拳骨制裁で一件落着。 「さて、『ゴミ掃除』の後は本当にゴミ掃除をするのね」 気を取り直して水奈は辺りを見渡した。服の汚れを気にするのも今更だ……戦闘で既に汚れてしまっている。 「完璧なお仕事はアフターケアまでしてこそでしょうし。 まあ、缶を覚醒させるに至らせた何かがもしあれば、それを探して再発も防がないといけないでしょうしね」 嗚呼、それにしても早く帰ってお風呂に入りたいわね。 肩を竦める彼女の傍ら、櫂も同じく息を吐く。 「ゴミはゴミ箱へ……ね」 少しでも片付けておきたいものだ。 広いし、凄い数のゴミだけれど……出来る範囲まで。 「さぁ、お片づけですよ~!」 やる気満々、未來はゴミ袋を皆に手渡して回る。 「ちゃんと処理しないと、またこんな事になっちゃいますから。 せめても拾えるゴミは拾い集めておきましょう! やっぱり綺麗にしているのが一番。ゴミは、ゴミ箱へ!」 言うが早いか早速取り掛かる。 (ゴミ塗れになるのは俺もゴメンだからな……) 足元に注意しつつ、真理亜は軍手代わりの手袋を装着してゴミ袋を広げる。辺りを見渡す。 「……ってもとんでも無い量だな、こりゃ……。 ったく、ポイ捨てする奴等はどういう神経してやがるんだ……」 なんて愚痴りつつ黙々と掃除、掃除。 (ま、綺麗になっていくのを見るのは嫌いじゃないけどな) 彼の周りにはゴミ掃除をする仲間達。 リウビアはテレキネスで、呼太郎もヒョイヒョイと手際よく。 「袋ごとに分別して……たまにはこういうのも良いもんっスね!」 はふー、と額の汗を爽やかに拭い。 ユーディスは一つ一つ丁寧に拾い上げて行く。 アルミチールの残骸も、それ以外のゴミも。皆で拾い集めて片付ける。 「在るべき流れに、戻す為に」 作業はかなりの時間を要した――その分、身体に溜まる疲労。如何にリベリスタと言えど、思いっ切り戦った後だから尚更ズッシリ響く疲労だ。 だが悪くない疲労である。 寧ろ達成感が大きい、晴れた夜空の下、奇麗になった空き地を見ているとそんな気分になる。 お疲れ様、とサッパリした空き地の中で互いを労い合った。 一段落の後、空き地に看板。紫が立てたモノ。 『不法投棄注意 守らないと命があぶない』 「……これでおっけーだね!」 ニッコリ、微笑んだ。 もう大丈夫、この空き地にゴミが捨てられる事は――少しならあるかもしれないが、以前の様な状態になる事は二度とないだろう。 平穏を取り戻した風が、看板の立つ奇麗な空き地を吹き抜けて行った……。 『了』 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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