● 誰か、うちの子知りませんか!!? 誰か、誰か!! 帰ってこない!! どこに、どこに行ったの、どうして帰ってこないの 誘拐? それとも事故!? 無事でさえいてくれれば、帰ってきてくれれば! どこに、どこに、誰か誰か誰か!! えー、最近この手の事件が絶えませんな。 そうですね、近い所で多発していますので、同一犯による誘拐でしょうかね。 それにしても、早く見つかるといいですね。 そうですねぇー、心配です。 それでは次のニュースです。 今朝――…… ……。 ………。 ● 「ほうら、坊や、こっちだよ」 母親と出かけてたけど、いつの間にかこんな山道。 追いかけたのは、一人の狐のお面の少女。 見かけに似合わず、その口調はやけに大人びいており、面妖。 「後ろは振り返ってはいけないよ。帰りたくなってしまうからね」 進む、森の畦道。彼女の手に持つ紅い提灯が、進む道を照らす。 少女を目から離すことができない。 魅入られた如く、彼女だけを視界に捕らえ、彼女だけを追う。 気になるのは、この足場の悪い山道で彼女の身体は揺れもせず。綺麗な直線を描いて進んでいく。 「坊や、坊や、夜路は気を付けて」 斜めに刺さった紅い鳥居のその向こう。 一面に曼珠沙華が咲き誇る広い場所。不規則に卒塔婆が地面に刺さり、風も無いのに風車が回る。 枯れ木に提灯がぶら下がり、頭上から月明かりが照らし、色取り取りの蝶が踊る。 「ややっ、これはこれは正者とは珍しい」 「やややっ、これはこれは。また彼女が遊び相手を連れてきたか」 足元の首の無い地蔵がしゃべり出す。なんというか、気持ち悪い。 「ややっ、これで何人目か?」 「やややっ、これで5人目ではなかろうか?」 「「怖や怖や……」」 地蔵が少年にわざと聞こえるように喋っている。 けれどそれも中段される。 「五月蝿いよ」 どこからともなく、狐面の少年が2体の地蔵を蹴りつけた。 そして、こちらを見る。 「君、こんなとこ来ちゃダメだよ」 同じくらいの背丈の男の子。素顔は見えない。 「ここ、どこ?」 「わかんない。でも来ちゃ駄目。すぐに出て行きなさい」 狐の少年が指差すのは今しがた潜った斜めに刺さった鳥居。 「君も一緒に出ようよ」 「残念だけど」 「女の子は?」 「ああ、あれ僕なんだ」 正者の少年はよくわからない、という顔をした。 「いいから、彼女が来る前に……」 ――出ていって。 そう、言いかけたけれど、言い切れなかった。 狐の少年の正面で、正者の少年の背後。 狐面の少女が、子供を連れて再び少年の下へ来た。 「遊ぼうよ」 少女はそう言った。 またひとつ、卒塔婆が増える。 刻は宵。 それは終わらない永遠の夜。 狐の少年は虚空に願った。 ――誰か、僕を止めて。 ● 「永遠に月夜を繰り返す、それだけの空間」 『未来日記』牧野 杏里(nBNE000211)がそう口にした。 「そんなアーティファクトと化した鳥居があるのです」 それをくぐれば地平線が見えるほど広い場所に出る。どうなっているか、その先へ進めば何かあるのかは分からない。だが、閉鎖的空間を作り出せるアーティファクトがあることは事実。 「それ自体も問題なのですが、どうやらE・フォースやE・アンデット、加えてE・ゴーレムが住み着いているようです」 E・フォースとE・アンデットはフェーズ2。E・ゴーレムはフェーズ1。 「まあ、アーティファクト自体を壊せば、中に居るのも同時に消滅するのですが。問題は一般人の少年達がその中に囚われているのです」 最近やたらテレビで神隠しと謡われる地域があった。そこで消えた少年達がその中にいる。 アーティファクトの破壊は最終的な目的だが、中にいる一般人を助けてからの方が最良だろう。 「中にいるE・フォースは子供を持っていこうとすると攻撃してくる様です。なのに、子供を人質に取ったりもします……ちょっと矛盾してますが厄介です」 そして杏里は資料を配り始めた。だがその表情が曇る。 「E・アンデットの男の子が……助けてと言っていました」 配り終えて、ブリーフィングルームの椅子に腰をかけた。 「貴方は救えないけれど、助けは聞こえたから……」 杏里は虚空にそう言った。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:夕影 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2011年11月18日(金)22:31 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 2人■ | |||||
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●正者夜行 叩かれた頬は、赤く腫れ、冷たい床に伏せって涙を堪えた。 「なんでこんなこともできないの! 貴方はこの家の嫡男なのよ!」 勉強お稽古云々。まだ齢10の少年には荷が重すぎた。 できて当たり前、やって当たり前。 彼には耐えられなくて、窓の外を見れば元気に遊ぶ同世代の男の子達。 ただ、羨ましいとは思っていた。 その時狐面の少年は、曼珠沙華の上で膝を抱えて座っていた。 思い返していたのは生前の日々。嫌な事もあれば、良い事も……あっただろうか? 「やや、何やら面白いのが来たな?」 「ややや、我等消されてしますでは無いのか?」 「「怖や怖や」」 突然目の前の地蔵が喋り出したと思えば、鳥居から人が現れる。 「いよっす! あっそっびっにきったぜ~!」 元気よく鳥居に飛び込んで来たツァイン・ウォーレス(BNE001520)を先頭に続々と人が現れる。 狐面の少年は、ハッとしたように彼等の正面に立ち警告した。此処から先には行かせないように、両手は横へと広げて。 「すぐに引き返して下さい」 なんだかよく分からないが、この人達は普通の人では無いことが、目に見えても感じ取っても分かる。 もしかしたら自分と同じ存在なのかも知れないと思ったが、それは少年には分からず。 「ふむ。これがE・アンデットとはのぅ」 『緋月の幻影』瀬伊庭 玲(BNE000094)が狐面の少年の回りをくるくる回りながら、物珍しく見た。 恥ずかしそうに身を縮めた少年。そこに更にリベリスタは話を続ける。 「オレ、終。今日は君の願いを叶えに来たよ☆」 『ハッピーエンド』鴉魔・終(BNE002283)が、今までで一番優しい笑顔をしたかもしれない。 狐面の奥の瞳がその笑顔を捕えた瞬間、事情を知っている事が手に取るように分かった。 けれど、そんなのに甘んじている場合でも無く。純粋に彼女が来る前に出ていって欲しいと、更に忠告を重ねたがリベリスタ達は折れず。 そのうちに終が何して遊ぶか迷う様にその場でくるくる回り、思いついたかの様に人差し指を立てた。 「缶蹴りしよ! 缶蹴りしたい人この指止まれー!」 そう言った瞬間、その指を握ったのは少年の指では無く――どこから現れたか狐面の少女。 「遊ぶの? 知らない人と。私が用意した玩具とは遊ばないのに」 それだけ言って終の指を強く握る。いくら少女と言えども、フェーズ2。その力は強かったが終は笑顔で耐える。 「遊ぶ、僕も君も彼等とも! だから離してあげて!」 彼女の力を知っている狐面の少年は、少女を終から引き離す。 「それならいいわよ」 彼女の少し遠目の後方には、神隠しにあった例の少年達が虚ろな目でこちらに歩いてきた。 遅かった、見つかってしまったと、下を向いた狐面の少年だったが、『小さな侵食者』リル・リトル・リトル(BNE001146)がマスターテレパスを少年へと送る。今回の遊びの意味と、何しに訪れたのかが一瞬にしてその頭に叩き込まれた少年は、唖然としたようにその場に尻餅を着いた。 「あ、貴方達、一体」 「大丈夫です、ぼく達が貴方の分身を止めてみせますから」 状況が信じ込めない少年に『悪夢<不幸な現実>』稲野辺 雪(BNE002906)が小さな声で言った。 「ただ……この作戦には君の助けも欲しいところかな」 皆で協力して事を成すというのが裏での遊び。そう雪が言えば、狐面の少年も首を縦に振る。 まだ少年には何をすればいいかは分からないが、来るべき機会にはその役目を担うつもりだ。 「まぁ、難しいことは置いといて。一緒に遊ばないッスか?」 その少年に手を差しのべるリル。少年はその手を震えた手で、躊躇いつつも、握った。 「よっしゃ! そうと決まれば、早速やろうぜ!」 ツァインが取り出したのはひとつの缶。 缶蹴りを考えた人をリスペクトしながらも、曼珠沙華の間を割って缶を置く。 「そうやね、鬼は……狐面のお嬢さんやらん?」 『イエローシグナル』依代 椿(BNE000728)が少女に問いかけてみた。 むしろ鬼をやってくれないと問題でもあり。やってくれなくても遊んでる中で彼女が鬼になるように全員で仕組む事も可能だろう。 「私、鬼?」 顔を斜めに傾けながらも、言った。 「いいでしょう、坊や達も混ざりなさいな」 それは命令でもあるため、逆らえない少年達が顔を1回だけ縦に振った。 ここまでは計画通り。 少年に、終が自身が持っていたマフラーを狐面の少年の首へと巻いた。 その首に回る縄の跡が、何を物語っているのかは、おおよそ予想はできている。 ●正者の誘導 夜中に家を抜け出して、来たのは山の中。 此処なら誰にも見つからないはず。あの五月蝿い親にも。 悪いと思っていたけど、自身の心と身体は限界で。傷つき傷つき、綻んだ傷跡は手遅れ。 けして、親を恨んではいない。恨むべきは出来損ないの自分。 初めて悪事を働いて、親のサイフからお金を盗んで買ったのは1本のロープ。 木に登ってそれを括りつけ、輪っかに首を通せばこの世とは……。 「遊びとはいえ、そうそう簡単には……!」 3本の卒塔婆の後ろに居るのは『誰が為の力』新城・拓真(BNE000644)。けれどそれは身を隠すには不適切な場所。 「黒髪のお兄さんみーつけた」 少女が缶の下でそう言えば、拓真が見つかった事が分かる。 本来缶蹴りは、缶を足で抑えつつ見つけた人の名前を宣言するもの。 だが、狐面の少女は幽体という事もあって、足で缶を抑えるというよりも、そのフリをしているという感じだ。 「あ、すまん」 見つかった拓真は缶の方へ。と、いうよりも少女の1番近くへと言った方がいいかもしれない。その目から少女を離さないように。 「楽しいか? そうであれば──良いんだが」 「……私は彼が遊べてればいいのです」 拓真が少女へ聞いたが、少女はそれだけ言ってまた誰かを探しに平行移動していった。 同じく一番最初に見つかったツァインが、地蔵の横で拓真へ手を振った。 「やや、あれは見つかるだろう」 「ややや、見つからなかったら問題だろう」 「コラー、あれでも隠れてるんだから、そういう事言っちゃ駄目だろー」 「「怖や怖や」」 こちらはなんだか仲良くなっていた地蔵とツァイン。その会話、拓真には聞こえている。 後々、拓真が地蔵を蹴り飛ばしたのは言うまでも無い。 ちょっと大きめの枯れ木。それには提灯が辺りを赤く照らしていた。その下。 『フェアリーライト』レイチェル・ウィン・スノウフィールド(BNE002411)が狐面の少年を横に、座っていた。 もちろん少女に見えないように、缶がある場所からは見えないように。 「ねぇ、良かったらでいいんだけど、どうして死んじゃったのか……聞いてもいいかな?」 レイチェルのその質問は好奇心からだったが、狐面の少年を心から理解してあげたいという気持ちの方が多い。 「名前も教えて欲しいなー……なんて。 自己紹介しよっか?」 レイチェルの気持ちは狐面の少年にはしっかり伝わっていた。けれど……。 「ごめんなさい」 その一言だけで、レイチェルはそれ以上何も聞けなくなってしまった。 「お姉さん、そろそろ……」 「あ、うん! そうだね」 枯れ木の下を脱出したレイチェルと少年は、少女の目を抜けて鳥居の傍へと向かう。 こちらは鳥居近く。神隠しにあった少年達と、リベリスタ数人がいる。 遊びの内であるということで、少年達と一緒に隠れるということは成功した。曼珠沙華の花畑に身を屈めて狐面の少女の目を盗んでいる。 『鋼鉄の戦巫女』村上 真琴(BNE002654)が少女の目を上手くそちらに向けないように接しているため、まだバレていない。 「今のうちに、ですかね~」 「うんうん、オッケーだよ!」 ユーフォリア・エアリテーゼ(BNE002672)と終が少年達の持っていた包丁を回収し終えた。その時にレイチェルと狐面の少年も合流する。 AFからはツァインが少年達を外に出すようにと声が聞こえた。 全ての準備は整ったと言えよう。玲の目がキラリを光った。 「にゃっふっふ……妾の左眼の魔眼を使う時が来るとは」 そう、今こそ左眼の封印を解く時が来た。左眼の眼帯を取り外すと、緋き悪魔の邪眼が露出。 少年達が無意識にもその眼を見つめたその瞬間、 「この『緋月の幻影』が命ずる! 鳥居の外に出ろ!」 発動せしは魔眼。 その瞬間どうだろうか、元々催眠状態であったがそれが上書きされる。少年達の頭には鳥居に出るという事が最優先事項となった。 催眠状態が解けた事をいち早く察知したのは狐面の少女。まるで風船が破裂するようなその感覚。 今まで無邪気に遊んでいた少女が静止し、機械の様に小刻みに動きながらも変貌する。 「あ、ぁぁあ、ぉお前等ァァアア!!!」 狐面により表情は見えなくても分かる。その顔は、般若。 「急いで!」 彼女の変貌に気付いた雪が神隠しの少年達の手を引いて、外へと誘導する。 彼女が気付いたところで缶けりを続行する意味も無くなった。隠れていたリベリスタ達は立ち上がり、少年達を誘導しながらも鳥居の外へと出す。 「ごめんな! 騙すみたいな形になっちまって……本当にごめんッ!」 平行移動しながらも、その勢いは早い。その少女の前方にツァインが割って入った。咄嗟にAFから武器と装備を取り出し、その身体で少女の鉈を受ける。 本当は満足いくまで遊んであげたいが、衰弱している一般人もいる。時間の限界だった。 AFを使って、外へ移動させるよう誘導したのは、ツァイン自身。 「どけぇ!! どけええ!!」 狐面の下から吼える少女。ツァインはそれに圧倒されそうだったが、意地でもそこから先に行かす訳にはいかない。 「ごめん、ごめんなぁ、でも……っ」 くい込む鉈が、鎧をも貫通してツァインの肩の肉へと到達している。鎧の間からツァイン自身の血が流れているのが見えていた。 それでも鉈を掴む少女の細い腕をツァインが掴んだ。顔と狐面が、数センチと近い。 「でも、あの子達も帰りを待ってる人がいるんだ! 家族や……2人みたいな友達がッ!」 「うるさぁあいッ!」 ツァインを弾き、離れた少女。だがその少女の後方から、回り込んでいた玲が彼女身体を動かせまいと気糸を放つ。 「大人しくしてもらかえ!」 気糸を寸前で避ける少女、だがその腕に気糸が掠っていく。 その横で椿が煙草に火を点け、その煙を吐き出しながらコンセントレーションを発動。だがそれだけでは終わらない。 「それじゃ、ひと暴れといこうやないのぉ」 扇を舞わせ、展開したのは守護結界。 「皆、もうちょっとだよ!!」 レイチェルが眼を向けた先は鳥居。少年達は既に3人ほど外へ出ている。翼の加護を発動しながらも、少年達を見ては、出る機会を伺っていた。 ●血のりの舞い 死んだけど、死んでなかった。身体は既に冷たい。 腐り果て、切れたロープの輪っかは頭上。それから、よくわからないままに歩き始めた。 最初は自分が幽霊なのか疑ったけど、きちんと足はついている。 どれだけ歩いたか分からないが、今更家に帰るのも渋るし、帰って怒られるのも嫌。 そうしている内にしゃべる地蔵と会った。 死んだこと、自分が革醒していること。全てを教えてくれた。 ついでに、なんだか不思議な場所があるとか。そこに行って、そこに住むことにした。 1人では寂しいので、地蔵を持っていくことにした。 普通なら華奢な身体では持てないはずの石の塊も、なんだか軽々持っていくことができた。 それで、人では無いことを実感した。 後ろではリベリスタ達が少女を鳥居の傍へ行かせないように接戦している。 ふと狐面の少年が走りだして、椿に切り掛ろうとしていた少女の鉈をその身で受けた。血走った少女の目は少年を見ていない。 その頃、鳥居の横に立っているユーフォリアが、最後の少年を外へと出していた。 出ていったのを確認したユーフォリアがチャクラムを取り出し、終がナイフを取り出す。 「さて~、ここから出す訳にはいきませんのです~」 「皆、出るよー」 先にユーフォリアが走り出し、跳躍する。 血に濡れた鉈を持つ少女が少年から離れた瞬間、ユーフォリアの多角的な攻撃を頭から直撃した。 それに続いた終がソニクエッジを放つ。 「う?」 身体が麻痺し、動けない少女。 「今のうちです! 逃げますよ!」 真琴が叫び、同時にリベリスタが鳥居へと動き出す。 動けない少女の手前で少年が硬直していたが、リルが少年の手を引いた。鳥居へ向かって走る少年は1回だけ振り向いた。 「待!」 動かない身体だったが、曼珠沙華の中へと鉈を落とし、手の平を少年へと。 「待って、待っ!!」 E・フォースが、親であるE・アンデットへ救いを求めた。けれど――少年は二度と振り返らなかった。 「待ってぇええええええ!!!」 聞こえようによれば、断末魔の叫び。 鳥居の奥へと消えたのは正者で、取り残された此方は彼岸である。 去り際に、彼女の耳には聞こえなかったが少年はただ一言、言葉を残した。 ――すぐに、僕も逝くから。 リベリスタが全員鳥居の外へと出た瞬間、待機していた雪が鳥居へ無頼の拳を放った。 壊れゆく鳥居。その内側。 泣いている少女がテレビの電源を落とした時のように、ぷつんとその意識を喪失した。 ●幻想とのお別れ たまに鳥居の外に出てみては、遊んでいる少年達が羨ましかった。 あれからどれくらい月日が経ったのかは分からない。なんせ鳥居の中は永遠に夜なのだから。 その想いが募りに募り、ついに少女が生まれた。 最初は遊び相手ができたと喜んだけど、その内マンネリ化してしまって楽しさも比例するようになってしまった。 願うは、多くの友達と遊びたい。 それに忠実な少女は、ついに猟奇へと走った。 最初は止めたけど、日に日に彼女はおかしくなっていった。 もう、止められない。 せめて、犠牲者が増えない様に。少年は鳥居の傍で来客者を追い返す。 ――その必要も、無くなった。 鳥居の外に出れば、リベリスタが遊んでくれた。 遊べた。友達ができた。満足した。生前できなかった事が、できた。 とても小さな、些細な時間だったけれど、それだけで十分。これ以上を望んだら、再び少女が目を覚ますだろう。 「ありがとうございます。もう、思い残す事もありません」 狐面を外せば、無邪気な少年が嬉しさに泣いていた。 何度も嗚咽が混じりながらも、感謝しきれないほどリベリスタに助けられた。 けれど、最後は、最期は自分も。 椿がラヴ&ピースメーカーの銃口を少年の額に着ける。少年は目を閉じ―― ―――狐の面が、地へと落ちた。 後日。 神隠しの少年達は家へと戻ったとのこと。 ただし、被害者の少年の数は6人。 1人だけ亡くなった少年は、心優しいエリューション。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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