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TOP(2015/02/27)<箱舟の苦境>
種別: 全角200文字、改行無し    レス:500件

影の継承者(ID:BNE000955)
斜堂・影継

2015/02/28(土) 00:23:05 

http://bne.chocolop.net/img/top_bg/BNE_bg_20150227ex.JPG
<箱舟の苦境>

「何だ、息を切らせて――随分苦労したみたいじゃないか」
「まぁ、そう言われれば返す言葉も無いけどね。大変なのは何処も同じじゃない?」
 暗い通路を駆けてきた『疾く在りし漆黒』中山 真咲(BNE004687)に揶揄するような言葉を投げた『黒き獣』 ノアノア・アンダーテイカー(BNE002519)は何とか拮抗した戦場を拾うも、かなり傷付いている。手痛い一敗を喫した真咲が無傷なのとは対照的な様子だが、それも今夜なれば自然な話である。
「何処も同じ、か。覆すには奇跡の御代わりが何杯居るのやら」
『アウィスラパクス』天城・櫻霞(BNE000469)の美貌が呆れ混じりに皮肉を刻んだ。
「身体が持たないとはこの事か。俺も一応まだ――新婚の部類なのだがな」
 三ツ池公園で生じたバロックナイツ本隊との戦闘は非常に熾烈なものとなっていた。
 世界各国のリベリスタ達の援護の甲斐もあり、膨大な敵兵力は水際での防御で食い止められている。だが、その防衛ラインを突破した『正真正銘の敵主力』は当然一筋縄で行く相手では無い。『オルクス・パラスト』、『ヴァチカン』等、戦闘的に特に優れたリベリスタ組織と連携したアークは公園内を最終防衛ラインと定め、『閉じない穴』を目指す盟主・ディーテリヒ等の進軍を阻む作戦に出たのだが……状況は良いとは言えなかった。
「さて、敵はどう出るか。想像は可能だが、得てして嫌な現実はそのイメージを上回る」
「ウチは何とか勝ったが、景気のいい話じゃねぇし、完勝なんてのは殆ど無ぇ。
 向こうさんの目的を考えれば、こりゃ戦術的勝利の戦略的敗北ってヤツなんだろう?」
 櫻霞とノアノアに「だろうねぇ」と苦笑するのは真咲。
 これまでにもアークは――真咲は数多くの強敵とやり合ってきたが、今回は格別である。何かと比して順序をつける意味は無いが、瀬戸際まで追い込まれつつある日本の崩界度を考えても、バロックナイツ盟主という肩書きの持つ意味を考えても、この戦いが正念場である事は疑う余地も無かった。
「押し切る心算かな」
「多分、な」
 ノアノアは呟いて暗闇に紫煙を吐き出した。
 苦境と呼べる局面にアークが出会う事は多い。三ツ池公園に限っても狙われた事は幾度もあるし、失陥した事も過去にある。だが、今回をこれまでと同じと考えて良いのかの保証は正直な所、誰にも出来なかった。
「どっちにしろ、勝負はこれからだろうな」
「そうだね。ボクとしてはそうである事も期待したいし」
 強敵を好む真咲にとっては危機云々もそうだし、不完全燃焼な部分も同じくである。
「今度こそ、あの名無しは殺さなきゃ」
「成る程、敵は殺す――実に素直な名案だ」と櫻霞は笑った。
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