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<抗う者・大和守>
「上手くいった……という事でいいのかしら」
嘆息を吐いた月鍵世恋の表情からリベリスタ達の取り組んだ任務の結果は知れるだろう。人心地ついた感のある安堵の顔色は、少女のなりの割には苦労を多く背負っている彼女の心労が少なからず軽減した事実を示している。
「未だ、予断は許さない……といった風ではありますがね」
「僕としては、この位は期待していました」と月ヶ瀬夜倉はしたり顔で頷いた。『滄浪閣主人』を名乗った或る協力者の助力を受けたアークが<抗う者>の大型儀式を遂行したのは暫く前の出来事だ。アークは儀式の結果が崩界度に与える結果を慎重に見極めていたのだが……結果は取り敢えず上々のものになったという訳だ。
「有り難い。これで私も面目が立ったというものだ」
「助かった」と礼を述べる貴樹に夜倉は恐縮した。
一方の世恋の方は「どういたしまして?」と堂に入った所がある。十四歳の見た目に、二十六歳のCPUを乗せた『少女』は見た目より強かだ。
「……しかし、先程も述べましたが」
「ああ、対処療法の延命治療に過ぎん」
「ええ。先方もそう何度もは助力出来ないでしょうし、ね」
苦笑を浮かべた夜倉からは今の日本が置かれた危機的状況を読み取るのが容易い。
「策は?」と問うた彼に貴樹は難しい表情だけで答えを返した。
「司令」
「何か、月鍵君」
「結局、アシュレイさんが全部悪いのよね」
「……まぁ」
「結局、あの女をとっ捕まえるか、やっつけるしかないのよね。早くそう出来ればいいのに」
「恐らくは」
「答えは出ているのに、面倒な話よね」
全く強い。女という生物の思い切りに、貴樹と夜倉は思わず顔を見合わせていた。
※<抗う者・大和守>の結果により崩界度が5下がり、92→87になりました!
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