ありがた迷惑。
去年と同じく、出身の里から使者がいらっしゃいました。
「明けましておめでとうございます。」
「おめでとうございます。わざわざお越しいただきありがとうございます。」
本来はわたしの方が訪ねるのが筋なのですが、子持ちのわたしが娘を連れて山奥の秘境にある里に向かうのはかなり無茶ということで、配慮していただいております。
「こちらは里長と若頭からのお年玉でございます。」
「これはこれはわざわざありがとうござ」
あの、後ろにある生簀は
「鯛です。」
あの
「鯛です。」
「……大変ですね。」
「お互いに。」
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