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TOP(2014/11/24)<裏切りの黒兎> 2
種別: 全角200文字、改行無し    レス:500件

影の継承者(ID:BNE000955)
斜堂・影継

2014/11/25(火) 09:25:27 
 曰く。
 不老不死であっても精神は磨耗していく。永い時を過ごしてきたラスプーチンは、既にその限界を迎えているのだ。この百年の彼の研究は、『強靭なる魂』を求めてのものである。
 二つのアーティファクト、『夢見る紅涙』と『天使の卵』は、元々は夢魔の一族の至宝であった。夢魔の力がぎっしり詰まったそれらは、精神の奥底にたどり着く為の触媒を求めていたラスプーチンに持ち去られてしまう。
 だが、触媒として使っても破壊されるわけではない。目的達成後は夢魔に二つの宝を返還する、という約束の下に、ソウシ達はラスプーチンの配下となった。

「だがな、それもこれも大将が勝つって前提だ。何度かあんたらとはやりあったが……正直なところ、上手く行かない気がするんだよ。だったら、あんたらに味方した方がいいって思ったのさ。俺達が大将に無私の忠誠を尽くす理由は無いからな」
 考えてみればこのソウシは元々後宮シンヤの一党に加わっていた。
 要するに彼は目当てのものが取り戻せるならば、方法はどちらでも構わないのだろう。性急な方法でも、時間をたっぷりかける方法でも。自身がこれと見定めた『才能(シンヤ)』と『伝説(ジャック)』を撃破し、スパイを進めていた『最高の頭脳(モリアーティ)』をも破り、『現在の主人(ラスプーチン)』に煮え湯を呑ませたアークは、彼から見れば目的に一番近付く存在とされてもおかしくはない。
「実際、チャンスだぜ。今が一番の」
 現在、ラスプーチンは『夢見る紅涙』が戻り次第儀式を始めるべく、本拠地に儀式場を構築している。準備に膨大な時間をかけている以上、拠点の陥落は本人の死亡と同じだ。だから、本拠地から逃げる事は絶対にない――加えてアークが追い込まれている事はラスプーチンからすれば油断にも繋がり得る事態だ。彼は自身の本拠地の防御を完璧なものだと確信している。『我が友の占星団』はそういう存在だから。
「なるほどな。だが、三高平に仕込まれた拠点やらスパイの情報と、ラスプーチンの本拠の情報は今必要だ。智親が死ぬまで待ってやるわけにはいかないが」
「ああ、後払いで構わない。俺達は一族の宝を取り戻したいだけだし、アークとやりあう気も無いしな」
 罠を疑うなら先遣隊を出せばいい。あんたらが裏切ったなら、今後ずっと暗殺者の影に怯えることになるだけだ――
「……ま、『黒い太陽』が喉下に刺さったアンタ達が実際に今動けるのかは知らないけどな」
「それはアンタ達が解決する事案だ」と不敵に笑うソウシに、わかった、と沙織は頷いて。
「その話、請けよう。……で、ラスプーチンの本拠はやはりサンクトペテルブルグか?」
「話が早くて助かるが、残念ながらそいつは外れだ。目指すはモスクワ。赤の広場・クレムリン地下の巨大地下迷宮が、大将の根城さ」
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