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<破竹のリベリスタ達>
敵がどれ程に恐ろしい存在であろうとも希望の船はその航海を止める事はない。
公園全域に広がる大戦闘はまさに彼等の矜持と在り様を知らしめるものになっていた。
「えーと、儀式っていうのはこれで止まった……よね?」
『アメジスト・ワーク』エフェメラ・ノイン(BNE004345)を含めたリベリスタ達の活躍で、この世界を破壊せんとするラトニャの融合装置の幾つかは辛うじて阻止されていた。
猛烈な勢いで攻勢を強めるリベリスタ連合軍は、予定以上の素晴らしい善戦を見せている。
否、厳密に言うならばそれは予定では無くても予想の範疇だったとは言えるのだが。
何せ、相手はラトニャ・ル・テップだ。全ての戦場を制圧し、彼女一人に全員でかかったとしても勝てる保証など無い。単純な力比べを行えばその状況でも敗北は確実なのだから、躓いている場合ではないのだ。
「……これ以上、酷い事をさせる訳にはいかないしっ……」
疲労感は正直大きい。
世界の黄昏というものをかつて間近に眺めたラ・ル・カーナのフュリエはそれを思わせる悲劇を看過する事は無い。
作戦は途上。どれ程完璧に突き詰めたとしても結果は保証されては居ないが、今出来る事を全てする――人事を尽くす事に敵の力の大きさは関係ない。この星辰の夜は、絶望に抗う己との戦いでもあるのだ。
「……ん、そっちも上手くいった……みたい」
再び駆け出したエフェメラに合流したのは、此方はこの夜を楽しんでいるようにしか見えない『無軌道の戦姫(ゼログラヴィティ)』星川・天乃(BNE000016)だった。
感情の読み取り難いタイプだが、強敵と戯れる事は彼女の至上だ。
「やれやれ、この後はどうなるか……こっちは結構戦々恐々なんだけどね」
そんな好戦的な彼女に軽く肩を竦めたのは更にこの場に現れた四条・理央(BNE000319)である。
アークには実に様々なリベリスタが在籍している。
「敵は流石に言うだけの事はある……私は、もう少し……人間っぽい方が好みだけど……」
「まぁ、君はそういうタイプだろうね」
「そう、そういうタイプ」
例えばこの同じ舞台を例に挙げるなら『ジャック・ザ・リッパーのような』。
そう言う天乃は少し驚いた顔をしたエフェメラとは違う意味でヤル気十分といった風だが、半ば感心し同時に呆れた調子の理央も凛とした眼差しを少しも曇らせてはいなかった。
「文字通り世界を護る機会なんてそう多くは無いからね。一歩も退けないのはボクも同じだ」
彼女も然り。
リベリスタ達の快進撃は止まらない。
だが、恐怖神話は絶えはすまい。
全ては最後の駒を落とす為――どう転ぶかは別にして。
ラトニャ・ル・テップとの決着の時は確かに近付こうとしている――
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