語りえぬものについては、沈黙しなければならない。
突然ですが、あなたは神を信じマースカ?(エセアメリカン)
わたしは実は信じています。
ただ既存の宗教における唯一絶対の神様とか世界創造に関わった偉大な神々とかの存在を信じているわけではありません。
わたしは神秘界隈に籍を置く者ですから、超常的な存在とかなり頻繁に触れ合っています。その意味では、人智を超えた何者かの存在、上位の大神秘が確かに存在する。その確信はありますし、片鱗にも触れています。
しかしながら、わたしがここで言う神とは、それらともまた異なります。上位世界の住民どもをアザーバイドと呼び、認知すら困難なほどの驚異的異次元存在をミラーミスと呼びます。
わたしが神と呼ぶのは、これら階層的な存在級位、世界構成、全存在を作り上げた何者かです。
先ほど、「既存の宗教における唯一絶対の神様とか世界創造に関わった偉大な神々とかの存在を信じているわけではありません」と申し上げました。
何故ならば、語られる神々は完璧であるからです。
翻って被造物のはずの我らは完璧ではありません。
ここでグノーシス派とかは見ないふりしておきます。
わたしは、「語られざる造物主」が存在すると思っています。
そしてそれは、人間並みの知能しか持っていないのではないかと考えています。不完全で矛盾だらけの世界を創造するのは、いつだって人間だけだからです。
彼らは全能だが万能ではない。
全てを知り得るが、把握しきるには知能が足りない。
そんな未熟な神の描いた絵空事。それが我々だと思っています。
我々が不完全ならば、その上位(メタ)もまた不完全。不完全な物が積み重なって本当の階層世界を作り上げているのではないかと、少し考えてしまいます。
所謂「出来そこないのパンケーキのような」階層世界のように。
神がもし絵空事としてわたしたちを作り上げたのなら、とても納得のいく事象が多いのです。
まず我々は何故神の被造物にも関わらず不完全なのか。
神は何故我々の前に姿を現さないのか。
何故祈りは聞き届けられず、何故罪と罰は等価でないのか。
それは、神々が書き手であり読み手であるからです。
ページをめくるように過去と未来を閲覧でき、落書きや二次創作で弄ることもできる。
しかしこの世界に降りてくることはどうやっても出来ず、好き勝手に物語を動かすこともできない。我らもまた、作者や読者に逆らうことは出来ない。
神がもしいるとしたら、それはわたしたちという低次元な存在を「書く」または「読む」何者かではないかと考えるのです。
祈りは無意味です。
信仰は無価値です。
それでも尚、神の加護を望むなら。
想う様楽しませ、悔しがらせ、慟哭させ、同情させてやろう。
そう思う次第です。
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