初恋は露と消えにし思い出のそれしかなくばそれのみ想う
別にサンダー(本名:鳩目サンダー。鳩目・ラプラース・あばたの養女。サンダーという名前はゴージャス宝田作・「妹ゴコロ」の登場人物・兎羽山サンダー(男性)より拝借)が恋をしたとかそういう話ではありません。
わたしのようなヤクザ者が……。
いや、はっきり言おう。ブサイクが、他人と恋愛したりすることなんてないのだ、と言うことです。
エリューション化した後、本家の方針で整形手術を行ったので一応「目立たない程度の美女」にはなったのですが(オマージュ元:攻殻機動隊)、だからと言って苛められて過ごした理系女子のコンプレックスがそう簡単に消える訳もなく。
これまで仕事の獲得の為に何度も枕営業をしてきましたが、それでも自分が「モテる」と思うことはありませなんだし、誰かに対して恋する、愛するということは未だございません。
成人女性としては余り健康的ではないのでしょうが、健康的であることは小学生の時点で諦めていたので致し方ないことだとも思います。
一回だけ、小学生のころに「赤い実はじけた」形式の初恋を味わったことはあります。それは実りませんでしたし多くを語りたくはありませんが、それ以降誰かに対して赤い実がはじけたことはございません。
長く誰かと付き合い続けることで愛するようになる、というのも真実なのでしょうが、それって誰でもいいってことだよなとも思うので、あんまりそういう風に恋したり愛したりしたくないってのもあったりします。
ときめきたいのであって、愛したいわけじゃないのさ。
そもそも誰かと長く付き合える稼業でもありませんし。
コトが起これば引っ越したり雲隠れしたり、死んじゃったりする仕事な訳ですから。
だからこそ、キュンキュンくるような恋が欲しかったりもするんですけど。
恋に恋する乙女ですよね。若いですよね。処女膜硬いですよね。
ああ、何もかもどうでもよくなるような想いは生まれないものでしょうか。酒じゃだめさ。でも酒しかないのさ。
さて夜勤の時間です。
仕事が恋人と言い切れる人種は非常に羨ましい。
そういう人種であれ、わたしの手にかかれば廃棄物に出来るということが、ただ一つの慰みです。
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