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どうか娘よ起きないで
種別: 全角600文字、改行50回まで    レス:500件

クオンタムデーモン(ID:BNE004018)
鳩目・ラプラース・あばた

2014/05/02(金) 01:12:17 
不味い不味い、胃が痛い、と思いながら飲む酒は何故か止まらないくらい気持ちがいいのです。


アークの依頼で失敗しました。
あまつさえ真っ先に脱落したの自分でしたよ。ぐへーごめんなさい。

でも何故だかあまり凹んではいないのです。
仕事の失敗はプロの恥、のはずなのですが。

理由ははっきりしていて、わたしはきっと仕事より楽しいことを見つけてしまったのです。
いや、仕事なんて楽しくは無いのが当たり前なのですが。
そうではなくて、仕事を成功させることより、その過程に楽しみを見つけてしまった、と言いますか。


何度かこちらで申し上げていますが、アークの仕事は治安維持が大原則でございますから、勝利とか敗北とかそういう概念はありません。成功か失敗のみです。
勝利や敗北がない、すなわち、悪に対して投降や降伏は認められないということです。鎮圧して当然。それ以外は失敗。勝ち負けではなく成否。それが全て。お仕事ですから。わたしたちはスポーツマンや格闘家ではないのだから。

にもかかわらず。わたしは今回の依頼の失敗に余り落胆していません。
アークの依頼は大抵失敗しても自分に直接は累が及ばないから、というのも大いに関係があると思います。
よほどでない限り降格とか左遷とか解雇とか無いので。
そこら辺は軍隊と似ていますね。「負ける権利がある」っていう点で。

でも違うのです。
少なくとも一年ぐらい前のわたしは、たとえそれがアークの仕事であっても、失敗したら悔しかったはずなのです。

どうでもよくなったのかもしれません。
そうでもないのかもしれません。


ただ一つ言えるのは、わたしはアークの仕事の成否より、そこで発生する戦闘の興奮を求める気持ちの方が強くなったということです。

最適な場所から最高の攻撃を撃ちこみ敵を殲滅する。
それはわたしの生業である清掃業にも通じるものではありますが、清掃業で命を賭けることはありません。

痛みと恐怖の引き換えに戦果を手に入れる。
それは鎮圧や清掃などとははっきり異なる欲望です。

どうやらわたしの中でそのようなオトコノコオトコノコした欲望が増長しだしたようなのです。

激情をぶつける相手を。
危険と恐怖を。
無力化するという結果を。

つまりは戦略より戦術、戦術より戦法、戦法そのものよりそれを実行する興奮と緊張を求めるようになったらしい。
スリルある戦いで、それなりに殺せれば依頼全体が失敗でもプライドは傷つかない。そういう割と本当にクズの一兵卒になっちまったらしいのです。

人間からまた一歩遠ざかった気がいたします。

わが師は言いました。

「マシンではダメなのだ、人の心を知って初めて『掃除屋』たりうる」と。
良心の痛みや不合理な情動、それを心で感じ、理解して初めて、それを本当に効率よく踏みにじることができるようになるのだと。


わたしは残念ながらそうはならないようです。
殺すコトをタメラワナイマシンデス。
コロシアウコトヲタノシムマシンデス。
コロシアワナイモノヲアザワラウマシンデス。

才能の欠如。才能の欠如。

あるいはこれは欠如ではなく。


ああ、もう酒が尽きた。アルコールより硝煙を嗅ぎたい。
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