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TOP(2014/04/16)<アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモア>
種別: 全角200文字、改行無し    レス:500件

影の継承者(ID:BNE000955)
斜堂・影継

2014/04/17(木) 00:02:04 
http://bne.chocolop.net/img/top_bg/BNE_bg_20140416ex.JPG
<アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモア>



 自身を襲撃する部隊が確認されたのはまさに青天の霹靂だった。
「安全な寝床も魅力的ではあるんですけどねぇ」
 厳重な警備のなされたアーク地下本部の奥に引っ込んだ『塔の魔女』アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモアは独白めいて呟いた。
 アークと自身の『協定』は自身の安全の確保とバロックナイツの打倒。魔術的知識の提供と『閉じない穴』の制御。加えてアークが協定を遂行するに必要となる様々な協力である。
 今や神秘界隈には知らぬ者は無い程のアークに積極的に挑む人間は少ない。逆説的に言うならば『それでも尚、挑む者は特別危険』なのだが、それはアシュレイにとっては好都合であるとも言えた。
『或る目的』の為にバロックナイツを倒さなければならなくなった彼女は、自身の占いの結果から極めて強い運命力を有する彼等を自身の剣盾に選び取った。
『閉じない穴』と『ジャック・ザ・リッパー(バロックナイツ)を破ったアークという組織』。二つの餌をぶら下げる事で使徒を誘き寄せ、或いはアークとぶつける事に成功した彼女の算段はこれまで実に計画通りに進んでいる。
 しかして。
(……潮目が変わりかけている、気もしますねー)
 今回の襲撃についてアシュレイはアーク側から心当たりを問われた。
 決定的な材料が無かったから「心当たりは無い」と答えたが、彼女のその答えは真に誠実ではなかった。より正しく事実を表現するならば『心当たりが有り過ぎて』と言った方が正解だ。いや、その数多の心当たりの中から『そういう芸当をしそうな人物』は決定的ではないが或る程度は絞れている。
 アシュレイは誰もがそうと知る悪名高き裏切りの魔女である。目の前で恋人(ジャック)を裏切った彼女を知っているアークもそれは先刻承知の事なのだが。何れにせよ、人に恨まれる道理も筋合いも持ち過ぎている位に持っている彼女である。
『モリアーティの行動計画書』による示唆も、今回の襲撃も彼女にとっては有難いイベントではなかった。ここまでは上手く進めてきたが、この後それが続く保証は無い。
 その上、今回の襲撃者が彼女が『あくまで推測する』ような人物であるとするならば厄介な事態は加速するかも知れない。
「……ふむぅ」
 黒絹の手袋に包まれた左手で自身の顎に触れたアシュレイは小さく呟く。
 自身の未来と今後を占ったとて、どうせ結果は塔ばかり。
 暗澹とした道のりを行く彼女には神の加護も、悪魔の寵愛もありはしない。
「オトモダチ、次第ですかねぇ」
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