報われるのではなく報いてあげるように
相変わらず朝の鍛錬を続けています。
射撃の精度には全く寄与しませんし神秘な力の増幅にもほとんど効果を示しません。それどころか、体力の増強にすら意味があるかも怪しい。
それでも続けています。
現場で使える技巧でなくとも、忌むべき神秘に対応できなくとも、地力の増強につながらなくとも。
なじんだ、そしてなじみきらない正拳突き。
こんなものは何の役にも立たない。
そもそも役に立つほどに鍛え上げられていない。
それでもやめる気が起こらないのは、何かを失ってしまうような気がするからです。
「全てのものはネットで手に入るべきである」を信条としているこのわたしにしてさえ、信条に徹しきることが出来ていない。この肉体の身を通して得られる経験、感覚、クオリアを掛け替えのない物と思っている。
いや、そんな上等な考えじゃなく、単に「出来なくなるのが怖い」だけかもしれません。
「現場で使える技巧でなく、忌むべき神秘に対応できず、地力の増強につながらない余技」すらも出来ないくなることが。
読者の方々を納得させうる言葉でうまく説明することができません。
わたし自身にすらきちんと理解できていない。
それでも明けきらぬ光の中でわたしは汗を流します。
キモい。やめたい。やめたくない。
帰ったら珍しくサンダーが起きていて、臭そうな顔をしました。
そうか、臭いかぁ……。
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