|
▼下へ
|
文章を書こう！
種別：
全角600文字、改行50回まで
レス：500件 |
|
ジェネシスノート（ID:BNE001662）
如月・達哉
2013/09/14(土) 01:20:53 |
|
レイチェル・ウィン・スノウフィールドよりのお題
【牛・害獣・エーテルの三つの単語を使って文章を書け】
（１／３）
さて、どう書いていこうか……。
青年は椅子に座ったままの状態でノートパソコンを見つめる。画面は真っ白。
本社からの呼び出しに応じて出向している職場から長期休暇をもらい、故郷に帰国したのは先日の話。現在は故郷にある海辺の別荘に滞在している状況だ。
本社でやることは部下が持ってきた報告そして状況を吟味、トップ会議で報告する。その結果によって自分の将来も決まる。だが出向先はちょうど修羅場の真っ最中。
本社会議での資料作成、プレゼンのリハーサルは全部終わらせてしまっていた。
真面目な彼は引き継ぎを済ませたとはいえ出向先が気になって仕方がなかった。途中で抜けてきたのは心苦しくなにも手伝えない悔しさと焦燥感がにじむ。
海で泳いだり、故郷で今も制作されているお気に入りのユーロでも聞きながら読書でもして気分転換をするか。そう思ったとき、ふいに電話が鳴った。
『よう、久しぶり！こっち戻ってるんだって？ヒマなら手伝えよ』
懐かしい声。大学時代に一緒に学んだ友人からだった。聞けば母校の講師に就任したという。
「で、どんな用件なんだ？本社での会議が終わったら今の出向先に戻るからそんなに時間は取れないぞ」
単刀直入に用件を聞きだす。なんでも食の未来というテーマで論文を書いているらしく、プロの視点から意見を聞きたいらしい。本社会議までの気晴らしになるかもしれない。
そう思って引き受ける旨を伝えると友人は喜び、じゃあ頼むわーと軽い返事が返ってきた。
その後、昔話に花を咲かせ、会話だけの懐かしい再会が終わって今に至る。
確かに自分は食を扱うプロ……とは言っても家族経営の食品会社の社員で食品の流れを知るという名目で直営の軽食屋を経営しつつ、別会社の社員食堂で腕を磨いているという状況だ。的確な意見が出せるかわからないがこれも経験だしやれるだけやってみよう。そう決めてパソコンに向き直った。
|
|
|
如月・達哉（ID:BNE001662） 2013/09/14(土) 01:21:57
（２／３）
現在のこの星の人口は６０億とも言われている。南北での格差は大きく、特に南の大陸では飯も満足に食えない、いわゆる低所得層がひしめいている。最終的に人口は１００億に迫り、全ての人間をまかなうことは不可能だと思われている。
我々が普段食べている牛も豚も一部の層では満足に食べられない。とある国では自給率１００％と言われている米もやがては芋に代わるであろうという予測がある。
ではこの問題を解決するにはどうすればいいか。
この星に暮らす人間を減らすか食料を増産するかのいずれかでしかない。
人間を減らすのは意図的に戦争を起こすなり出産制限なりで強制的に削減する方法もあるが現実的ではない。宇宙移民もちょっと前にはやったロボットアニメのようにエーテルドライブが実用化されたわけでもないのでこれも夢物語だろう。まあ、あと３００年もすればお隣の星に移住するのもできるらしいが。そもそも宇宙を満たしているとされた物質、エーテルは夢想の存在であると実証されたので別の推進機関を考える必要があるのはさておき。
では、食料の増産はどのように行われるか。この一点に絞って説明したいと思う。
現在の科学技術ではSFにあるような培養肉などの技術が確立されているわけではない。
近いものでいうならLEDによる人工照明を使った野菜栽培、魚の稚魚を捕獲して育成する不完全養殖ではなく卵から育てる完全養殖などの方法があるだろう。
|
|
|
|
如月・達哉（ID:BNE001662） 2013/09/14(土) 01:23:23
（３／３）
他にもまだ実験室レベルではあるがとある物質の抑制を行うことでオスがメス化する、いわゆる乳牛を人工的に生産する方法が発表されたのも先日の話だ。
また、害獣といわれる存在を食卓に乗せることもまた一つの方法ではないか。
例えば鹿やクジラ。クジラは厳密に言えば害獣ではないが、保護政策を徹底させすぎたせいで他の魚が食べられすぎているという害が発生している。また、市場が開拓されていなかったり、コストが高かったりという理由もある。
上記２点の理由からいえばアイガモもその対象だろう。近年、アイガモ農法というものが脚光を浴びたが普及しなかった理由はそれだ。成長するにつれて雑草や害虫を食べてくれるのはいい。だが親鳥になった時にどう処分するのか？専用の加工職人が少なく、市場もそこまで開拓されていない。そういった問題もあって普及していない。第６次産業の必要性が叫ばれる背景もそこにあるといっても過言ではない。
ここで一息つくことにしよう。パソコンを操作し、保存。
完了を確認すると席を立ち、大きく伸びをする。
話が脱線しまくっている気がしないでもないが物事というものは結局はいろんなところが絡み合って複雑にできている。食料問題にエネルギー問題。この二つは世界の維持に大きく必要だ。さて、そろそろ夕食の時間だし、準備をしよう。お腹をすかせた家族のために今日も腕を振るうとしよう。
（１９３７字）
|
|
|
|
如月・達哉（ID:BNE001662） 2013/09/14(土) 01:24:49
（あとがき）
腕、相当落ちてるなあ……。
ちなみにこれ、達哉が親衛隊決戦で戦線離脱した後、何やってたかという話です。
|
|
|
|
如月・達哉（ID:BNE001662） 2013/09/14(土) 01:30:12
ちなみに製作時間は２時間３０分です。
|
|
| ▲上へ
|
