逃げ場が無いことが最も恐ろしい。
早朝訓練の時刻を早めています。
少しでも暑くない時間帯を狙って家を出ているのですが、もうダメですね。湿気のせいで夜明け前すら暑い。
湿度による暑さは発汗を促進し、水分と体力を消耗させます。
「だからこそ修行に成るのだ」と言いたいところですが、わたしはそんなに殊勝ではありません。
体力と型を身につけたいのであって、全天候型の体質を手に入れたいわけではないのですよ。ないのですよったら。
一通りの稽古を終えて車に乗ると暑い。
夜明けの日光を取り入れて加熱されたシートに座ると、じっとりと腿に汗がにじみます。不快です死にます。
寒さは厚着をすれば耐えられますが、暑さは全裸になっても逃げられません。エアコンだの水風呂だのという涼しくなるための特別なアイテムが無い限り、どこに行こうと暑さが付きまとうのです。
ただそこにいるだけで体力が奪われるのです。そりゃ夏バテなんて現象が存在する訳ですよ。
エアコンが無かったらと思うとぞっとします。
この不快感から逃れる希望が無い世界。
どこに行っても何をしても汗をかく暑さ。恐ろしい。
本当に恐ろしいことは、逃れられない苦しみではなく、逃れられないことが約束されていることそれ自体です。
クーラーのある時代にクーラーのある国にクーラーを買える身分で生まれたことに乾杯。
そう、朝ビールです。
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