いつまでもあると思うな親のコネ。
先日回収した少年は少女でした。何を言ってるのか輪からねーと思うが。
手短に。わたしの早朝の修練の際によく顔を合わせる子が居りまして、虐待されてるらしくてじゃあ行方不明になっても親は心配しないだろうと戯れに殺そうかと思ったけど気まぐれで預かることにしました。説明終わり。
捕捉。彼女の左耳はわたしが至近距離で撃ったので大きく削れて焦げています。
「ちんちんないね。」
「ないよー。マサキ女の子だもん。」
「マサキというのか。」
「うん。」
失踪宣告もらうにゃ7年かかるし、そもそもこの子を蔑ろにしてた親は届け出を出さない可能性もあるし。
『生まれ変わらせる』にゃちょっとめんどくさいな。
「養子で引き取っちゃったらいかがです?」
鹿毛・E・ロウがクスクスと笑いながら言う。冗談きつい。確かに手続きはそれが一番楽だが、それにしたって誘拐犯が養母になるには実の親の存在を避けて通れませんし、まだ母に成る年齢でもない。
そこでふと思いついた私は、奈良の里に電話をかけました。
そう言えば師匠たちは、こう言った面倒事のプロであった。
「ええ、いいですよ。」
里の首領から二つ返事で協力を約束頂いた1週間後には、彼女に新しい戸籍が用意されていました。
両親は?と聞くと、金を掴ませてどこぞへ行って頂いたとのこと。
わざわざわたしの為にそこまで、というと、
「愛しい我が孫弟子の頼みごとですもの♪
このぐらい役に立たせてください。」
「痛み入ります。」
「どうぞ、好きなように成されますように。」
「ところで、この子の名義ですが、」
「はい、あなたの娘です。」
無言でマサキの方を見る。
マサキはキョトンとした顔で股を弄っている。
「マジで。」
「名前も変えましたよ。
彼女は今日から鳩目・サンダーです。」
「ズバ山!!」
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