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更に古い日記帳
種別:
全角600文字、改行50回まで
レス:500件 |
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ピジョンブラッド(ID:BNE003963)
ロアン・シュヴァイヤー
2012/09/13(木) 19:34:44 |
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昔あった事とか。見つかったらまた更新されるかも
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ロアン・シュヴァイヤー(ID:BNE003963) 2012/09/13(木) 19:41:53
僕らはドイツの片隅、割と小さな町の、熱心な宗教家の下に生まれた。
両親以外にも、あの辺りは熱心な人が多くてね。小さい妹も一緒に、毎日の祈りを欠かした事は無かった。
そしてある日、ご存知の通り、我が家からリベリスタが出たんだ。リリが物心つくかつかないかの時かな、その時の両親の喜びようは今でもよく覚えてるし、その意味が分からなかった当時の僕も、一緒になって喜んだっけ。
何でそこまで喜んだかって言うと、僕らの教義ではリベリスタとなる事や、家からリベリスタが輩出されるのは大変名誉な事だったんだ。特にうちはごく普通の家庭で、過去に前例が無かったからね。
革醒しフェイトを得たリリは家族から離されてひとり、町の教会に入れられた。僕は当時見習いとして教会の表の仕事を習っていたんだけど、同じ教会の中なのにリリと会う機会は限られていた。当時の僕は教会で彼女が何をしているか、何故引き離されてしまったのか、殆ど知らなかった。基本的に表と裏の接触は無く、近年この地域で唯一の若いリベリスタだとかで、だいぶ手厚い保護や教育を受けていたみたいだね。
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ロアン・シュヴァイヤー(ID:BNE003963) 2012/09/14(金) 19:56:08
僕が正式に、神父として教会の表の仕事を始めた時ぐらいだったかな。
その頃の僕には力が無く、幼くしてリベリスタとなって戦いに赴いた妹を見送る事しか出来ず、傷だらけの彼女を抱きしめていつまでも泣いた。
人に害為す神秘と戦い、学べ――という教え。リベリスタである彼女が、厄介な神秘や(僕の大嫌いな)フィクサードど戦うのはごく当たり前の事だ。少なくともあの空間の中では。
自分が代わりに行ってやれたらと、どうして神は彼女を選んだのだろうといつも思っていたし、信仰だの何だので妹を喜んで危険に晒している教会や両親の事も気に入らなかった。
そういえば、我が子を差し出す事で信仰を告白する(のを良しとする)なんて場面が教義の中にあったっけ。つくづく胸糞の悪い教えだ。
神様、貴方がいるなら何故、リリを危険に晒したのか――僕が教えに疑念を持ち始めたのは、そこからだった。
教会の表の顔としての仕事や、裏の顔のサポートをしているうち、僕は神とか教義とかを全く信じなくなったんだ。あまりにも不平等で理不尽だから。
それでも、弱い人々には単純な力だけでなくて、こういった救いが必要だとは思っているから、全部は否定しないけど――僕本人も含めて。
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