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TOP(2012/08/24) <二つの『不完全』> 上
種別: 全角200文字、改行無し    レス:500件

影の継承者(ID:BNE000955)
斜堂・影継

2012/08/24(金) 00:24:33 
「――――!」
 騒乱と混沌に満ちた戦場。危険と死が渦巻き、いよいよその濃度を引き返せないものにしようとしているその戦場に声が響いた。
 遥か前方、バイデン軍の後ろ荒野の彼方より砂塵を巻き上げる者共は新たなる物量。多数の勝利を積み重ねながらも代償に満身創痍を背負ったリベリスタ達が新たに相手取るには厳しいだけの増派である。
「あれは――」
 しかし、二度目。上がったリベリスタの声は、戦場に未だ意気盛んなバイデン達の上げた声は歓声であり、困惑の声だった。リベリスタ達が彼方にバイデン達を見たのと同じように、その時。バイデン達はリベリスタ達の背後に『在り得ざる可能性』を目撃していたのだ。
「――フュリエ!?」
 千を越えるフュリエが各々に武器を携え、戦場に突入する光景はリベリスタ達以上に――十余年の侵略と殺戮の歴史の中で、立ち向かう事を知らなかった彼女達を良く知るバイデンこそが驚愕するものだったに違いない。
「まさか、援軍……いえ、間違いない。援軍だわ」
『紡唄』葛葉 祈(BNE003735)の薄い唇から思わず零れ落ちたその一言は思いも拠らぬ事態に対して未だ幾らかの混乱を含んではいたのだが……
「友とは仲間。異界の隣人たるフュリエもまた友。
 友が轡を並べようと思うなら――私もまだまだ戦える」
 祈にせよ、決意めいた言葉を繰り返した 『祈りに応じるもの』アラストール・ロード・ナイトオブライエン(BNE000024)にせよ同じ事。新しい希望と期待は疲労した全身は素直に新たな力を沸き立たせていた。
「お待たせしました。何かを言うよりも今は、態度で示しましょう」
 フュリエ側の指揮を取るのはあのシェルンである。アークにとっても、そしてバイデンにとっても。この状況は全く想定外。
「成る程、今度はいい目が出たか」
『Dr.Tricks』オーウェン・ロザイク(BNE000638)の薄い笑みは状況を精密に理解するが故のものだったに違いない。
 ラ・ル・カーナ再突入以来アーク側がフュリエ側にコンタクトする時間も余裕も存在しなかった。又、アーク側が再突入を果たすタイミングを彼女達が知らなかった以上、使者を送った所でこの場に間に合ったとは思えない。つまる所、このタイミングに――バイデン達と同じタイミングでフュリエ達が戦場に現われたという事実は、単純に『彼女達が自分達で戦いを決めてやってきた』という重大な事実を意味しているのだ。
「いいねぇ! 盛り上がってきたぜ!」
『トランシェ』十凪・創太(BNE000002)がもう一暴れと快哉を上げる。
「馬鹿な、フュリエが……」
「……正直、あの子達気に入らなかったんだけど。これで五分だね、バイデン」
 困惑し、大きく隙を見せたバイデンの一体を飛び込んだ 『fib or grief』坂本 ミカサ(BNE000314)の両手の爪が掻き抉る。バランスを崩し後退しかかる彼を逃さぬと追うのは彼の得手(ツインストライク)。
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