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<交渉団設立!>
「……そういう訳で今回の話はお前達十人に任せる事になった」
ブリーフィングルームに集められた十人のリベリスタ達を順に眺め、戦略司令室長、時村沙織はそんな風に言葉を切り出した。
「全く今更の確認だが任務は接触を持ちかけてきた『塔の魔女』から情報と提案を引き出し、アークに持ち帰る事。当然、その場で結論を下せる話じゃないから間違えるな」
「無論。何れにせよ言質を与えるような真似は危険でしょうな」
念を押す沙織の言葉は先刻承知。
応えた 鬼ヶ島 正道(BNE000681)がマイペースに続ける。
「如何な提案がなされるか、それがアークにとって承服出来るものかどうか……その辺りはこの先としましても。やはり、この『取引』が有益たるものかどうかを判断するには『話し合い』を通じて『彼女個人』なり『その目的』なりを知る必要がありましょうな」
「知りたいんだ。自分の限界と、塔の魔女という人物を」
正道の言葉に頷いたのは アシュレイ・セルマ・オールストレーム(BNE002429)と アリス・ショコラ・ヴィクトリカ(BNE000128)だった。
「たった一度の出会いで、彼女に興味を持ってしまった
これが理由。もちろんアークとしてやれるだけのことはするつもりだが」
「先の決戦では、アシュレイさん配下の氷の騎士とも戦いましたけど……騎士は私達の誰も殺そうとはしませんでした。
騎士は、それはアシュレイさんの命令だと言っていました。
それに、以前、カルナさんが囚われの身になった時も密かにアシュレイさんがカルナさんを逃がしたと聞きました。
私は、アシュレイさんも、人間らしい『優しい』心があって。本当は人間らしくあろうとしているんじゃないかとも思えるんです……」
同じ『アシュレイの個を知る』という結論でも三人の辿った経緯は随分と異なるだろう。アシュレイ、アリス、二人の言葉は拙くも瑞々しい。
「そうよねぇ……」
顎に手を当てて思案顔をしていた マリアム・アリー・ウルジュワーン(BNE000735)がそこで口を挟んだ。
「直接聞いたわけじゃないけれど、決戦時の夏栖斗ちゃんの問い掛けに対して『乙女が本気になる理由なんて千年前から決まってます』って言ってたらしいじゃない? 乙女が本気になるのはやっぱり恋よね!」
全く、可愛らしい事この上ない七十三歳の全く澱みない理屈に正道は「成る程、そういう道理もありましょうな」と小さく肩を竦めてみせた。
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